熊本市議会 > 2015-12-03 >
平成27年第 4回定例会−12月03日-04号
平成27年第 4回定例会−12月03日-04号

  • "水俣病対策"(/)
ツイート シェア
  1. 熊本市議会 2015-12-03
    平成27年第 4回定例会−12月03日-04号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成27年第 4回定例会−12月03日-04号平成27年第 4回定例会   平成27年12月3日(木曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第4号                         │ │ 平成27年12月3日(木曜)午前10時開議               │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                            午前 9時59分 開議 ○満永寿博 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○満永寿博 議長  日程第1「一般質問」を行います。  順次発言を許します。藤永弘議員。          〔17番 藤永弘議員 登壇 拍手〕 ◆藤永弘 議員  おはようございます。  公明党熊本市議団の藤永弘でございます。今回、議員になって4年7カ月となりました。今回で5回目の質問になります。登壇の機会を与えていただきました先輩議員、同僚議員に感謝を申し上げます。  私も2期目に入りました。また新たな気持ちで市民の皆様の声を市政に届けるため、しっかり働いてまいります。  それでは、早速質問に入らせていただきます。市長を初め執行部の皆様の明快な答弁をよろしくお願いします。  まず最初に、行政処分の対応についてお尋ねしたいと思います。  行政処分とは、法律用語です。処分という言葉がつくために、何か不祥事などがあったときに行われる処分と混同されがちですが、行政行為全般を指します。行政書士を目指したり行政法を学ばれた方はよく御存じだと思いますが、行政の継続性の重要性が講義などで重要視されます。行政に継続性がなくなると、一番困るのは国民、市民で、右往左往してしまいます。この結果、市民は将来を予測することが不可能となり、社会に不安を生み出すことになります。
     市民の安心安全のために行政サービスを提供している熊本市とその職員にとって、常に認識していることが求められています。  ちなみに、行政処分について最高裁は、昭和39年の判決でこのように述べています。公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって直接、国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定することが法律上認められているものとしています。  このように、熊本市が行う行政処分、行政行為は市民生活に直結するものであり、対応の公平性が求められるとともに、継続性、つまり安定性が強く求められます。今回は、この継続性の観点から、熊本市が行った行政処分について、市民からの相談をベースにお伺いしていきますので、明快な答弁を求めておきます。  それでは早速、質問に入ります。  先般、市民相談を受けました。社名の特定につながることは控えたいと思いますが、熊本市内のある店にて飲食を行った複数の方が、食中毒を否定できない事例として医療機関より報告があり、熊本市保健所が当該店に調査に入りました。この際、医療機関を受診した患者と店員の便、店内機器及び食材の病原体検査が行われ、10月8日午後に市保健所より、10月9日の金曜日から3日間の営業停止処分が口頭で通告され、9日13時に営業停止命令書を取りに来るように言われ、かつ行政処分が行われる前に開封した食材の破棄を命令されたというものであります。  経営者は1つだけ聞いたそうです。金土日のお客様はどうしたらよいのでしょうかと。答えは、キャンセルしてくださいと言われたようです。  8日の夜は、食材の破棄、予約のお客様への予約の取り消し等、つらく大変な日であったとお伺いしました。  9日、営業停止命令書を取りに行く途中の車中に、来なくともよい、こちらから行くとの連絡があり、結果として営業停止処分は執行されませんでした。  熊本市において、食中毒をどのように認定し、その後どのように適切かつ迅速な対応をとるかが、市民の健康を守るために、公衆衛生上、大変重要であります。今後の施策の参考とするために、事実関係について確認を行いたいと思います。  1、まず、私が指摘した事例の概要について説明を求めます。  2、対象とした病原体検査についての検査結果が確定したのは、調査に入った日より何日後か。結果として病原体は確認されたのか。  3、9日から3日間の営業停止処分を通告した根拠となる判断基準は何か。  4、店員全員の便検体を店側が提供しようとしたが、検査の必要はないと途中で打ち切った理由は何か。  5、行政処分前に食材破棄を口頭で求めた法令等の根拠は何か。なぜ処分通知書を出さなかったのか。  拡大防止、再発防止の観点から食材の廃棄を助言することはあっても、明らかな根拠なしに、命令に近い状況で廃棄を求めたことをどう考えているのか。  6、最終的に営業停止処分を執行しなかった理由は何か。判断を覆す新しい検査結果が出たのか。  7、保健所長が処分を行ったことについて説明するために店に伺ったと聞いているが、説明の内容は何か。  8、過去に営業停止処分を前日に言い渡し、当日に覆った事例はあるのか。  9、振り返って、熊本市保健所として食中毒と認定するために、国の食中毒処理要領に基づいて適切に対応していたと考えているのか。  以上9点について、健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  食中毒の認定と営業停止処分について、9点のお尋ねに、少々長くなりますが、お答えを申し上げます。  1点目の事例の概要についてと3点目の通告の根拠については、あわせてお答えいたします。  平成27年10月6日、市内の医療機関から食中毒の疑いのある患者2名を診察したとの届け出がございました。疫学的調査の結果、平成27年10月3日に、同じ飲食店で食事をした会社の同僚等の14名のうち8名が、10月3日から5日にかけまして下痢、腹痛、発熱などの症状を訴えられていること、共通の食事はその飲食店の食事しかないことが判明いたしました。また、会社内で感染症などが発生している状況は確認できませんでした。  そこで、10月8日に一たん、有症者8名の体調異常は、その飲食店で提供された食事を原因とする食中毒がほぼ確実と判断いたしました。  このようなことから、最終判断前の情報提供として、営業への影響を考慮して、その旨を施設にお伝えいたしましたが、翌10月9日に最終検証いたしましたところ、営業停止処分を伴う食中毒と断定できないとの結論に至ったところでございます。  2点目の病原体検査についてでございますが、調査開始3日後の10月9日、検査機関の環境総合センターに検査状況の確認を行いましたところ、患者の検便、施設の拭き取りからは有意な菌は検出されていないとの報告を受けたところでございます。  4点目の検査不必要の理由についてでございますが、便検査につきましては、10月8日に、食中毒の調査におきまして必要な調理従事者4名全員から提出いただいておりましたので、この段階で打ち切ることといたしました。  5点目の廃棄を求めたことについてでございますが、10月8日、担当職員を派遣いたしまして、翌日から営業停止の行政処分を実施する予定であることをお伝えいたしましたが、この時点では最終判断ではないことから、通知書の発出はいたしておりません。  その際に、営業停止期間中に一般的に営業者に行っていただくこととして、汚染されている可能性がある食材の廃棄、施設内の消毒、従業員に対する衛生教育などを行ってもらうことになることをお伝えしたところでございます。  これらのことは翌日からの営業停止期間中に行ってもらうこととしてお伝えしたつもりでございましたが、結果的に営業者には直ちに食材の廃棄を求めるように受け取られてしまいましたことは、伝え方に配慮が足りなかった点もあったと考えております。結果としまして、営業者に混乱を生じさせてしまいました。  6点目と7点目の営業停止処分を執行しなかった理由についてと保健所長の説明についてでございますが、10月8日の段階では、当該グループの疫学的調査の結果により、食事以外の感染経路が確認できなかったこと、有症者8名が同じような症状を一斉に発症していること、医師から食中毒疑いの届け出がありましたこと、このようなことから、一たん食中毒がほぼ確実と判断いたしました。  10月9日、正式通知となる営業停止命令書の交付の前に、当該グループ以外の22グループ84名から体調異常者が確認されなかったことなど、調査結果全体の最終検証を行いましたところ、営業停止処分を伴う食中毒と断定するには至りませんでした。あわせて、検便などから有意な菌が検出されなかったこともお伝えいたしました。  8点目の営業停止処分変更の事例についてでございますが、過去にも、前日に食中毒が濃厚であることをお伝えしたことはございますが、今回のように、最終判断で食中毒と断定するには至らなかった事例はございません。  9点目の、国の食中毒要領に基づく適切な対応についてでございますが、食中毒が疑われる事例を探知した際は、国の食中毒処理要領や熊本市食中毒調査マニュアルに基づきまして適切に調査を実施し、その調査結果を踏まえて食中毒かどうかを総合的に判断してまいりました。  今回の事例は、最終的には営業停止処分を伴う食中毒と断定するには至りませんでしたが、施設の営業への影響を考慮して、最終判断の前に情報提供いたしましたことが誤解を招く結果となったものと考えております。  食中毒には迅速な対応が必要でございますが、最終判断は慎重に行いますとともに、事前の情報提供に際しましては、誤解を与えない伝え方を徹底してまいります。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  調査の結果、同じ飲食店で食事をした会社の同僚等の14名のうち8名が下痢、腹痛、発熱などの症状を訴えていること、共通の食事はその飲食店しかないと判明、また、会社内で感染症などの発生がないという疫学的調査を、営業停止処分通告の根拠として判断したということです。  そこでお尋ねします。  1点目、その判断基準、疫学的調査で本当によいのでしょうか。はっきりとした原因の確定もできないままに、飲食店としては致命傷のダメージを受けるような営業停止処分をしていいのでしょうか。  2点目、今回はほかに複数の22グループがあったが、該当グループ以外から体調異常者が確認されなかったことで食中毒と判断するには至らなかったとのことでしたが、もし1グループの貸し切りで、意図的に何かの目的を持って陥れることもこれでは可能になるのではと考えられますが、いかがでしょうか。  以上2点、健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  引き続き2点のお尋ねにお答えを申し上げます。  1点目の営業停止処分の判断基準についてでございますが、疫学的調査とは食中毒の調査で、患者などに対して実施いたします、発症日時、症状の内容、喫食状況などに関する調査でございます。  この調査により、患者のグループに共通する食事がその食事以外にないことが特定できた場合は、原因菌などが検出されなくても食中毒と判断する場合がございます。  平成26年の全国の食中毒統計によりますと、976件の食中毒が発生いたしておりますが、そのうち23件は原因菌などが検出されずに食中毒となりました。  2点目の、意図的な食中毒が発生した場合についてでございますが、本市におきましては、疫学的調査が適切に実施できますよう、熊本市食中毒調査マニュアルに従って、患者などに対して原則面接をいたしまして、症状や発症日時、喫食状況などを科学的に矛盾がないかも含めて詳細な聞き取りを行っております。医療機関を受診されている患者につきましては、その医療機関の医師からも聞き取り調査を行っております。そのため、その調査結果は信頼性が高いものと考えておりますが、今後も、議員から御指摘いただいたような事態がありましても適切に判断できますよう、より慎重に調査を実施してまいります。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  かろうじて最終判断で店の営業停止処分は行われず、また、長期にわたる風評被害を受けることはなかったものの、それでも店は、当日お客さんに、きょうは予約を取り消してくださいなんか言えません。食材廃棄、予約のキャンセルで大きな損害を店側は被っております。また、もし当日、店に複数のお客がおらず、一、二グループのみであったら、市保健所がどのような判断を下していたかと考えると、私は恐怖感を覚えます。  疫学的調査での判断はより慎重に行い、もし裁判にかけられても必ず勝訴する確信あるものを求めておきます。  次に、生活保護費の支給ミスについてお伺いいたします。  11月12日の地元紙に、生活保護費を17世帯に過大支給していたという記事がありました。熊本市においては、事務処理ミスが続く中でのまたかという今回のミスです。  そこで、今回の過大支給ミスについて、何点かお尋ねいたします。  1点目、過大支給17世帯の総額はどのくらいでしょうか。  2点目、出稼ぎ区分該当世帯と一般世帯の生活保護費の差はいかほどあるのか。  3点目、17世帯に過大支給していた最長年数と最短年数、さらには最大金額と最少金額をお聞かせください。  4点目、当事者への対応はどのようにされるのか。分割返済の年数と、また月当たりの返済最大金額、最少金額と、過去何年にさかのぼるかお聞かせください。  5点目、今回の原因についてお聞かせください。  6点目、チェック体制はとっていると考えますが、それがなぜ機能しなかったのか。  7点目、再発防止策。  以上7点について、健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  まず、答弁に入ります前に、今回の事務処理ミスにより御迷惑をおかけいたしました保護受給者の皆様方には、心よりおわび申し上げます。大変申しわけございませんでした。  それでは、生活保護費の支給ミスについて、7点のお尋ねにお答えを申し上げます。  1点目の過大支給17世帯の総額についてでございますが、件数は、中央区1件、東区4件、西区6件、南区2件、北区4件の計17世帯に対して、時効分も含め、約2,347万円でございました。  2点目の出稼ぎ区分該当世帯と一般世帯の生活保護費の差についてでございますが、30歳代夫婦世帯の場合、本市に夫婦で居住するケースと、本市に妻が居住し、同程度の都市に夫が単身赴任しているケースでは、1カ月当たりで約3万5,000円、出稼ぎ区分該当世帯の最低生活費が増額されます。  3点目の過大支給の状況についてでございますが、最長で7年10カ月、最大金額は約671万円でございます。また、最短は2カ月、最少金額は約4万円でございました。  4点目の当事者への対応についてでございますが、対象世帯の皆様には深くおわびをいたしますとともに、5年間の時効を超えていない、過払いとなった保護費につきましては、事情を丁寧に説明いたしました上で、生活保護法等の法令に従って返還を求めてまいりたいと考えております。  また、分割返済の期間や金額につきましては、当事者と相談中で確定いたしておりませんが、世帯の事情を考慮し、無理のない返済計画としたいと考えております。  5点目の支給ミスの原因についてでございますが、世帯状況を電算システムへ登録する際に、誤って出稼ぎ区分を入力してしまいました。また、誤った入力内容を決裁の過程でチェックできなかったものでございます。  6点目のチェック体制が機能しなかった理由についてでございますが、これまで、生活保護費の決定を行う際には、決定調書という決定内容が詳細に記載された帳票を用いまして、金額変更のたびに額に誤りがないか、担当者、査察指導員、課長補佐、課長の複数体制によるチェックを実施してまいりました。  しかしながら、今回の原因である出稼ぎ設定はこの決定調書には表記されていなかったため、現状のチェック体制が機能しておりませんでした。  7点目の今後の再発防止策についてでございますが、現在、各区の保護課におきまして、保護費の算定に誤りがないか、改めて全受給者1万7,000人の内容を再検証しているところでございます。  今後の再発防止策といたしましては、保護費の算定漏れ等がないかを確認するチェックシートを作成し、複数の職員で検証できる体制といたします。  さらに、出稼ぎ区分を含めたチェック項目をリスト化し、入力ミス等がないかを定期的に確認するなど、進行管理を強化いたします。あわせて職員研修も行い、総合的なチェック体制の見直しを行います。  なお、平成29年1月に稼働を予定しています新電算システムにおきましても、入力時の注意喚起機能の追加など、さらなるチェック機能の強化を進めてまいります。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  過大支給の最長は7年10カ月で、最大金額は約671万円。5年間の時効を超えていない、過払いとなった保護費については返還を求めていくが、無理のない返済計画としたいとのことですが、最大世帯では421万3,480円と大きな金額です。30歳代夫妻世帯の場合、1カ月当たりで約3万5,000円、本人は増額されていることは知らず、その支給額での生活になれています。そんな中、月3万5,000円、当たり前とはいえ、生活費が減った上421万円の返済となれば、仮にですが、20年払いで計算しますと、月に約1万7,000円の返済。それに3万5,000円をプラスしますと、合わせて5万3,000円の減での生活になり、生活の破綻につながる可能性があります。無理のない返済計画ということですので、慎重な返済計画を求めておきます。  これまでは生活保護費の過大支給について質問してきましたが、次は生活保護費の過少支給について質問いたします。  本質問も市民相談を受けてのものであります。  相談の内容は、平成26年4月18日が児童手当の最後の支給でした。児童手当の支給が終わった後、事務処理ミスにより、本来の支給額より月額1万円少なく支給されていたというものです。本来いただくべき権利のあるお金を減額され、その間の生活がどれだけ大変な生活苦であったか。謝って済む話ではないですし、ケースワーカーは開き直ったかの態度で、過ぎてしまったことですからとか、済みませんけど、もう起こってしまったことなんですねといった態度だったとのことでした。  私は、このままこのようなことに納得いかないんです。きちんと支給していただくべき金額は支給していただくのが当然だと思います。このような相談がありました。  収入が減った事実、児童手当の支給の停止が判明した平成26年10月時点から、27年1月、27年4月、27年7月と4回にわたり修正した収入申告書を提出したにもかかわらず、児童手当の削除認定が継続して行われなかったのは事務処理ミスであり、当事者に何ら落ち度がないのは明らかでございます。それにもかかわらず、さかのぼって2カ月分のみの支給と、当該区保護課より告げられたそうです。  そこでお尋ねいたします。  1点目、この事務ミスの原因を教えてください。  2点目、この事務ミスにより、この方は一体どのくらいの生活保護費の過少支給を受けたのでしょうか。  3点目、当事者への対応は今後どのようになされるのか。  以上3点、健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  生活保護費の支給ミスについて、3点にお答え申し上げます。          〔議長退席、副議長着席〕  1点目の過少支給の原因についてでございますが、今回、東区保護課においての処理の誤りは、次の3点が原因と考えております。  まず、担当者が8月に支給が終了する児童手当の収入認定の削除を遺漏いたしておりました。  次に、平成26年10月に、世帯主から提出された収入申告書に記載されておりませんでした児童手当の収入額を削除せず、引き続き収入として認定してしまいました。  さらに、決裁の過程で、査察指導員や課長補佐といった上司も収入認定の削除漏れに気づかず、その結果、生活保護費が過少な支給となってしまいました。  2点目の過少支給の金額についてでございますが、期間は平成26年8月から平成27年7月までの12カ月で、総額12万円となりました。このうち、厚生労働省保護課長通知により、平成27年7月から2カ月遡及し、平成27年6月分より是正して2万円を追加支給いたしておりますので、遡及できなかった10カ月分の10万円が過少支給となったところでございます。  3点目の、当事者への今後の対応についてでございますが、今回の事務処理ミスにつきまして、家庭訪問や電話連絡によりおわびと丁寧な説明をさせていただきましたが、この決定を不服として、現在、審査庁であります熊本県に審査請求が提起されているところでございます。  今後は、審査庁の判断を踏まえまして適切に対応しなければならないと考えております。
     なお、この案件につきましては、本来、事務処理ミスの公表基準に基づき公表すべきものでございましたが、判断ミスにより公表していなかったものでございまして、今後は、公表基準の運用を徹底してまいります。  最後に、繰り返しとなりますが、今回の一連の事務処理ミスにつきましては、改めて問題点を検証した上で、再発防止への改善に向け、真摯に取り組んでまいります。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  厚生労働省保護課長通知により、2カ月分2万円を追加支給、10カ月分の10万円は過少支給となるとのことですが、先ほどと違い、同じミスでも、過大の方は入力ミスで、あり得るかもしれないミスかもしれません。だけれども、今回の過少支給の場合は、明らかな生活上の変化、長女が高校に入学という大きな家庭の変化を、担当者が児童手当の収入額を削除せず、引き続き収入として認定してしまったと。もうあり得ないミス、ミスと言うんでしょうか、これは。しかも、4度の報告をしている。なぜこんなことが起きるのか、担当者が保護家庭に対し心のある対応をしているのか、疑問が残ります。  私のところにも、保護申請のときの相談員の対応がとても傲慢であったとの声を聞き、課長の指導をお願いしたことがあります。また、別件ですが、市民がほかの担当者に、こんなことはしていただけないでしょうかと尋ねても、突き放したような態度で、できるはずがないと怒ったように言われたこともあったそうです。この相談を受けて同僚議員は、できないことはできないと言うのは当たり前だと。だけれども、もう少し優しく言うことはできないんだろうかということで、課長に指導をするよう求めたそうです。そういうことも聞いております。  今回の場合、過大支給、過少支給、双方とも、当事者には何のミスもありません。過大支給に対しては5年にさかのぼり返還を求め、一方で過少支給に対しては2カ月分の支給しかない。改めて、義務とともに権利は守られるべきと強く主張しておきます。  過少支給については、現在、上級庁に審査請求をしている最中ですので、その結果も見守りたいと思いますが、今後、このようなミスがないよう、チェック体制の早急な整備を改めて求めるとともに、相談者に対して思いやりのある接し方、丁寧な対応を強く求めておきます。  続きまして、TPP対策についてお尋ねします。  今般、公明党市議団は、公明党熊本県本部TPP対策委員会として、農業県熊本の第一次産業の担い手の不安や懸念などの現状を知るため、県内の議員を中心に、聞き取りTPP対策緊急調査アンケートを全県下で行いました。その取りまとめを公明党農林水産業振興宣言とし、その実現のため、7つの提言をしました。  まず、本宣言の内容を要約します。1、農林水産業を国の基本産業と位置づけます。1、次世代に引き継げる安定した農業経営を支援します。1、今後の人口減少で国内市場が縮小することから、海外市場販路の拡大を目指します。1、TPPの影響が懸念される分野への長期支援計画の策定を目指します。1、デフレの影響を受けない国内農林水産業の環境整備を進めますとするものです。  また、この宣言の実現のために7つの提言をして、1、海外に強い体制強化へ輸出国の販路拡大、輸出産品拡大を推進。日本版FAS(海外農務局)を設置。2、2020年に農林水産物及び食品関連産業の輸出を現状の4,500億円から1兆円とするため、2050年までの目標を明確化。3、産官学連携による品種、品質、ブランド化とPRを強化。4、TPP対象11カ国の植物等を輸出する場合の検疫条件の緩和を目指します。5、農業を12兆円産業へ。所得の安定を目指す。6、コスト削減を目指し、農業の構造改革を進め、農家のやる気を応援。7、平成27年度から導入した経営所得安定対策を強化しますというものであります。さらには、以上の内容を国会議員に託し、国のTPP対策に織り込むよう要望したところです。  そこで、農業等関係5点、工業関係3点についてお伺いいたします。  まず、農業等関係1点目、熊本市農産物等の品目別生産量、産出額。  2点目、熊本市農産物等のTPP影響品目と額。  3点目、攻めの農業等への転換のための熊本市の課題。  4点目、熊本市の求められる対策。  5点目、国、県に求めるべき支援や対応。  次に、工業製品関係1点目、熊本市の工業の現状と強み。  2点目、打って出るべき工業製品。  3点目、打って出るための支援。  以上、少し多いですが、農水商工局長にお尋ねいたします。          〔石櫃紳一郎農水商工局長 登壇〕 ◎石櫃紳一郎 農水商工局長  TPP対策につきまして8点のお尋ねにお答えいたします。  一昨日の藤山議員への答弁と重複するところがございますが、御容赦願います。  まず、農業関係でございますが、1点目の熊本市農産物の品目別の生産量と産出額につきましては、平成26年の本市農業産出額は約471億円となっておりまして、内訳といたしまして、野菜が生産量約8万2,000トンで、産出額が約238億円、果実が約5万7,000トンで約81億円、米が約2万4,000トンで約49億円、畜産が産出額約80億円、その他で約23億円となっております。  2点目の本市農産物への品目ごとの影響額につきましては、現時点で国による影響額の公表がなされておらず、また試算方法なども明らかになっておりませんので、今後、国による影響額の調査結果や試算方法の公表などを待ちまして、本市の影響額の試算、精査、検証を行っていく予定といたしております。  3点目の攻めの農業へ転換するための課題ということでございますが、農業従事者の確保や担い手の育成、農地集積や基盤の整備などによる生産規模の拡大、低コスト化によります生産性の向上、さらには品質向上やブランド化の推進などが課題になるものと考えております。  4点目の求められる対策につきましては、11月にTPP大筋合意に関します農業者との意見交換を行ったところでございまして、その際、先行きの見えない不安や就農意欲の減退を危惧する意見を多くいただいているところでございまして、農業者に寄り添いました支援の必要性を改めて認識したところでございます。  これらを踏まえまして、新規就農者や大規模経営体、集落営農組織の育成、6次産業化やブランド化の推進によります競争力の増強と、国内外への販路拡大などの対策が求められると認識しております。  5点目の国、県に求めるべき支援や対応といたしまして、品目ごとに講じられております経営安定対策などの充実、生産性向上や品質向上に積極的に取り組みます担い手に対する投資や助成、さらにはブランド化や輸出推進に向けました支援などを求めてまいりたいと考えております。  次に、工業関係でございますが、6点目の熊本市の工業の現状と強みということでございますが、本市の製造品出荷額で最も多くの割合を占めておりますものが、食料品の約30%となっております。この食品関連産業の集積が本市の工業の強みと考えております。  7点目でございます。打って出るべき工業はというお尋ねでございますが、本市の農業産出額が全国でも上位を占めておりますことや、産学官連携によります食品の技術開発等が活発に行われておりますことなどから、熊本市産業成長戦略におきまして本市の成長産業と位置づけております食品関連産業、これがお尋ねの打って出るべき産業になると考えております。  また、本市には、食品に関しまして加工機器や省力化機器を製造します企業もございまして、こういった企業も含めまして、広く食品関連産業として扱ってまいります。  8点目の、打って出るための支援ということでございますが、現在、食品関連産業を中心といたしまして、新製品の開発や見本市出展助成を初め、台湾、香港、シンガポールにおきまして商談会や展示会を開催いたしますなど、海外への積極的な販路開拓に取り組んでいるところでございます。  今後、国において示されました総合的なTPP関連政策大綱に基づきます具体策が示されてまいりますことから、それらを注視いたしまして、グローバルな販路開拓や事業展開を目指す地場企業への支援を関連機関と連携しながら検討してまいります。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。  熊本市は、台湾、香港、シンガポールとの商談会及び物産館に力を入れて、販路拡大に取り組んでおられます。今後も今以上に取り組みを強化していただきたいと思います。  その上で、今回のTPP相手国の中で、販路拡大に熊本市として取り組んでいるのはシンガポール1国です。シンガポールは、国民1人当たりのGDPがアジア第1位、世界有数のビジネス集積地でもあり、何よりも検疫が緩いのが魅力です。輸出する場合は、検疫が厳しいとうまくいきません。  そこで、大西市長に2つの提案があります。  1つ目は、いよいよ世界のGDPの40%を占める巨大市場との貿易が始まりますが、検疫の問題等からも、実際には本市農産物を直ちに輸出することは難しいでしょうから、準備段階としてTPP参加国との人的交流を先行して行うことで、独自の人的なパイプやネットワークを構築しておいてはいかがでしょうか。  検疫の問題は国と国との交渉で、本市での解決は難しいですが、草の根の交流からまず始めてみることが大切であると考えます。  そこで、TPP参加の11カ国との交流を今後どのように考えておられるのかお答えください。  2つ目は、少し具体的に申し上げます。今回のTPP参加国の中で、検疫の緩いマレーシア、カナダの2国を販路拡大のターゲットにしてはと思います。マレーシアは、人口は3,000万人ですが、今、経済成長が著しい国です。先に唾をつけたところが勝ちます。カナダについては、商談から入らなくても、まず人の交流から入ってもよいと思います。この提案について、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  TPP対策について、2点のお尋ねにお答えいたします。  まず、TPP参加11カ国との交流についてでございますが、全てのTPP参加国との人的交流の取り組みは広大なエリアとなり、効果的な人的交流を進めるのは容易ではないと考えます。  本市には、既にアメリカに姉妹都市があり、また、ペルー、オーストラリアについても、在外県人会や本市民間国際交流団体等による交流が展開されております。今後は、上海事務所を拠点として、東アジア戦略の対象に含まれる参加国を中心に、これまでに培われたネットワークを足がかりに、人や物の交流に有益な人脈をさらに開拓し、最新の情報やアドバイスを得ることにより、人的交流を引き続き深めてまいりたいと考えております。  2点目の販路拡大のターゲット国についてでありますが、マレーシアについては、今後、成長が見込まれるハラールの市場参入の糸口として、平成26年4月に同国政府のハラール機関と覚書を締結したところであります。  それ以降、地元企業とともにハラール認証や現地への輸出、投資等の可能性を探る一方、現地企業とのネットワーク構築などを図っておりまして、今月実施予定のシンガポール商談会にもマレーシアのバイヤーの来場が予定されていることから、販路拡大の契機としたいと考えております。  また、カナダにつきましては、現在、県果実農業協同組合連合会を中心にミカンの輸出が進められておりまして、今後、その実態を把握、分析し、販路拡大の可能性について検討してまいりたいと考えております。  本市のすぐれた農産物の海外への販路拡大につきましては、農家の所得向上はもとより、地域の活性化にも大きく寄与するものでありますが、関係機関との広域的な連携が不可欠であります。市といたしましては、オール九州で参加した欧州での大規模な商談会の実績もあることから、このような機会も活用しつつ、今後、県や九州農政局、九州経済産業局等関係機関との連携を強化し、九州全体で戦略的に海外へ打って出る方策を検討してまいりたいと考えております。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  大西市長、答弁ありがとうございました。  輸出するには、情報が大事だと思います。人的交流でいろいろな情報を集め、農家や企業に提供していただきたいと思います。各国で農産物に対する好みや需要は異なります。次の事例がこのことを端的にあらわしています。  青森県弘前市のあるリンゴ農家が、サンプルとして英国の輸入業者に送ったふじの大玉への反応がよくなかったため、日本では加工用とされている小玉を送ると、予想外に反応がよかったほか、ブランド力のあるふじよりも、欧州で余り見かけない品種のリンゴの方が好まれた。また、北海道帯広市川西町のナガイモについて、日本では規格外品となる大物1.4キログラムが、台湾で引き合いが強く、輸出を大きく伸ばしたとのことである。  なかなか個人の農家、中小企業で情報を集めるのは大変です。行政がいろいろな輸入に使えそうな情報を集め、情報提供することは大事だと思います。  それから、ただいま大西市長が答弁で言われたオール九州、いい言葉です。九州が1つになり団結すれば、すぐ力となると思います。九州全体で戦略的に海外へ打って出る方策を検討していくとのこと、大いに期待します。よろしくお願いします。  続きまして、がん対策についてお伺いします。  皆様も御存じのように、日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡しています。私たちの身体は約60兆個の細胞でできていて、その細胞は絶えず分裂し、新しく生まれ変わっています。皮膚の細胞は4週間で新しくなり、胃腸内壁は5日ごと、肌は28日、肝臓の細胞は6週間ごと、骨格の細胞は3カ月ごとで入れかわり、1年もたてば体のほとんどは新しい細胞に入れかわると言われています。  体内の細胞を古くなったものは新しいものに入れかえ、常に体の細胞をきれいで活発な状態に保つことで私たちは何十年も生きることができます。しかし、その細胞分裂の際、困ったことが生じる場合があります。  細胞分裂は、細胞の設計図である遺伝子をもとにコピーされることで起こりますが、発がん物質などの影響で遺伝子が突然変異し、コピーミスが起こることがあり、これががんの始まりです。ただし、健康な人でも、1日約5,000個のコピーミスが起きますが、通常、コピーミスで生まれた異常な細胞は、体内の免疫細胞の標的となり、攻撃され死滅します。ところが、免疫細胞の攻撃を逃れて生き残る細胞がいて、がん細胞となります。それから異常な分裂、増殖を繰り返し、10年から20年かけてがんの状態になります。  全国健康保険協会によると、部位別のがん死亡率の男女の上位3位は、男性1位肺がん、2位胃がん、3位大腸がん、女性1位大腸がん、2位肺がん、3位胃がんと、男女とも肺がん、胃がん、大腸がんが3位以内に入っています。  厚労省によると、がんは昭和56年より、日本人の死因の第1位です。そこで厚労省は、国、地方公共団体、またがん患者を含めた国民、医療従事者及びマスメディア等が一体となってがん対策に取り組むことにより、がん患者を含めた国民ががんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会の実現を目指すことを最大の目標とするとしています。  私も、1人の国民として、まずがんを知ることから始めようと、一番かかるがんは胃がんで、死亡の原因も男女とも3位以内に入って、2011年の死亡数では2位の胃がんについて、このたび少し学びました。  インターネットで胃がんの原因と検索すると、あらゆる機関や病院は、ピロリ菌が大きな原因と指摘しています。一度、皆様も検索してみていただきたいと思います。今や医学界の常識とも言えるのではないでしょうか。  ピロリ菌という言葉は皆さん聞いたことがあると思いますが、では、このピロリ菌にいつ、どうして感染するのか。北海道大学の浅香教授によると、1950年代半ばから70年代半ばにかけて、戦後の日本は高度経済成長を遂げ、第二次世界大戦の敗戦から復興した日本は、上下水道を初めとするインフラを整備した。社会インフラが整備される前の時代、不衛生な環境により、多くの日本人がピロリ菌に感染したと思われる。高齢者のピロリ菌感染率は、2010年の日本人のピロリ菌感染率の予測では、60歳では80%、50歳で45%から50%ぐらいの人が感染しているそうです。  感染時期は乳幼児期だと言われています。なぜ乳幼児期なのか。胃酸を出す壁細胞が完全にでき上がるのは、2歳から3歳だからです。ピロリ菌は胃に住む細菌ですから胃酸に強いと思っている人も多いかもしれませんが、実は、ピロリ菌が胃酸を浴びると、たった20分で死滅してしまうのです。成人になれば、胃酸が1日中出ていますから、たとえピロリ菌が入った水や食べ物を口にしたところで、たちまち胃の中で胃酸にやっつけられてしまいます。成人になったら、胃酸を浴びたピロリ菌は、そのままでは死んでしまうはずです。  では、ピロリ菌は一体、胃の中でどのように生活しているのでしょうか。  ピロリ菌は、胃粘膜上皮細胞の表面と粘膜層で暮らしています。胃酸によって活性化されるタンパク質分解酵素のペプシンは、肉やかたい食べ物でも溶かして消化しています。では、なぜピロリ菌が生き残れるのか。それは人間の仕組みにあります。肉を溶かすペプシンから粘液層によって、やわらかい胃自身がしっかり守られているからです。ピロリ菌は、その胃を守る粘液層の中に乳幼児期の時入って、安心して生きているのです。  そうすると、今度は白血球の出番です。白血球は、ピロリ菌を殺すためにサイトカインを出すわけですが、ピロリ菌は胃の表面ないし粘液層に隠れていますから、攻撃はピロリ菌に届かず、サイトカインの攻撃は誤爆となり、胃の粘膜を傷つけてしまいます。外からやってきたピロリ菌と体内にある白血球の遭遇によって生まれるモノクロラミンが胃に悪影響を及ぼします。  乳幼児期の時、ピロリ菌に感染すると、数週間から数カ月で100%の人が慢性胃炎になります。それから20年から30年かけて萎縮性胃炎になり、また20年から30年かけて分化型がんへと進むパターンの人が胃がんでは多く、50歳代で発症する人が多い理由です。慢性胃炎から直接、未分化型胃がんへと進むケースもあるそうです。  以上が北海道大学、浅香教授の本を読み、私なりに要約しました。また、この本を読み、日本人がピロリ菌の感染者が多い、そしてアメリカ人より日本人が8倍胃がんになりやすいのも、ピロリ菌との関係の証拠だと思いました。  北海道大学の浅香教授は、胃がんに密接にかかわる萎縮性胃炎の大半がピロリ菌感染によるものであり、胃がん予防のために除菌が必要であることを提言しております。ピロリ菌の発見で、2005年にノーベル賞を受賞したバリー・マーシャル博士も、ピロリ菌検査と内視鏡検査をセットにした日本の胃がん撲滅への取り組みを高く評価しております。  血液検査によってピロリ菌感染状況をチェックして、胃がんリスクを判定するABC検診は、医療費削減効果に大いに役立っております。参考までに、既に導入済みの先進自治体を御紹介いたします。  東京都品川区では、平成24年に50歳から75歳で5歳刻みでピロリ菌検査を実施したところ、受診者2,495人中、ピロリ菌感染者は1,042人、実に感染率41.8%であり、高齢者ほどその比率は高くなるという結果が報告されております。  また、東京都町田市は平成25年10月より、日野市は平成26年6月より胃がんリスク無料血液検査を開始しております。静岡県藤枝市では、平成25年度から胃がんリスク血液検査を導入、バリウム検査を段階的に廃止することを決定。岡山県真庭市では、平成25年8月より、中学2年生と3年生を対象に、希望者に無料でピロリ菌検査を実施。大阪府内では、高槻市、茨木市に続き、寝屋川市が平成26年4月より、神奈川県綾瀬市では平成26年6月より胃がんリスク検診を開始しています。  そこでお尋ねします。ここが本題です。  国民健康保険の特定健診の項目にピロリ菌血液検査を追加すべきであると考えますが、どうでしょうか。健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  がん対策についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  特定健診へのヘリコバクター・ピロリ、いわゆるピロリ菌の血液検査の追加についてでございますが、ピロリ菌の血液検査につきましては、他都市では、がん検診の検査として行っているところもございますが、その対象者や方法につきましてはさまざまな状況でございます。  国保の特定健診の項目として追加いたしました場合は、現在、国の補助がございませんことから、国保会計の財政状況を踏まえますと、検査費用につきまして全額自己負担となりますことや、希望者だけに検査する場合の運用面での課題も想定されるところでございます。  いずれにいたしましても、ピロリ菌の血液検査につきましては、国におきましても研究段階でありますことから、本市におきます課題の整理や方法につきまして研究を行ってまいりたいと考えております。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  課題はあるものの、やる方向で前向きな答弁でありました。ありがとうございます。  少々長く説明したのは、議員各位にも応援していただきたいと思いまして、少々長く説明しました。  ピロリ菌の血液検査は、がん検診の検査として行っているところはあるが、対象者や方法はさまざま、課題の整理や方法について研究するとのことです。胃がんの原因としてこれほどはっきりしているのですから、地方から施策、声を発する時代に入ったと思います。逆に地方から声を上げてよいのではないでしょうか。国が必ず後からついてきます。来年の12月、研究は進みましたかと質問したとき、29年度より開始しますとの答弁を期待しております。よろしくお願いします。  続きまして、LGBT対策についてお伺いします。  LGBTを簡単に解説しますと、女性同性愛者のレズビアン、L、男性同性愛者のゲイ、G、両性愛者のバイセクシャル、B、生まれつきの性別に違和感を持つトランスジェンダー、Tの頭文字に由来します。  鈴木団長より、2つの資料と冊子をいただきました。1つが、今坂洋志さんが代表をしている、ともに拓くLGBTIQの会くまもとの資料。もう一つが、平成26年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業により、宝塚大学看護学部、研究代表者、日高庸晴教授が作成した性的マイノリティの子を持つ父母の手記をまとめた冊子です。  私は、資料を見た瞬間、性的マイノリティは、人口の3から5%、熊本市2万2,000から3万6,500人の文字と数字が目に入りました。この数字が正しければ、教育の場、教室の子供たちに当てはめた場合、クラスに1人から2人は存在するかもしれない。無視できるような問題ではないと瞬間思いました。  すぐにインターネットで、人数の確認のために調べました。文部科学省の2013年の調査では、性同一性障がいの児童・生徒は全国に少なくとも606人いることがわかっているとのこと。この数の差に驚きました。  そこで、文科省の調査がどのように行われたのか調べました。学校に相談があり、児童・生徒本人または保護者が性同一性障がいであるとの認識を有している場合のみで、既に把握している教育相談等の事例のみを調査対象とし、新たに調査を行わないこととしています。  実際の人数との差、この差の大きさにも問題の大きさがあるかもしれないと思いました。そんなことを考えているとき、テレビにIKKOさんが出ていました。  御存じのように、IKKOさんはタレントでもあり、美容師として特に力を発揮しておられます。そんなIKKOさんが涙を流して語られていました。オカマ、女、気持ちが悪いと言われ、子供時代、いじめられ、家族にも言えない。30代のときに初めて姉にカミングアウトができた。しかし、両親にはなかなか言えず、やっと40代のときに言えた。それまで、男としての親孝行はできないけれども、親孝行はしたいと心の中で思っていたことを話され、そんな中、支えとなったのが、実家の美容師をしている母であったと。その母を見ていて美容師になろうと思い、修行に出たと。そして修行中にもばか、オカマと言われ、少なくとも19歳までは、オカマは自分にとってナイフでえぐられるような言葉だったと。だから、とにかく世間に認められるためには実力をつけるしかないと頑張ったので、今の自分がありますと涙を流して話しておられました。この話を聞いても、冊子を読んでも、性的マイノリティに優しい教育環境づくりをしなければいけないと考えました。  このことは、9月定例会において、くまもと創生の田中議員が一般質問され、教育長より、今後もセクシュアルマイノリティを初め、さまざまな人間課題に対する教職員の理解を深め、適切な対応ができるよう研修の充実に努めていきます。また、国の動向を踏まえ、セクシュアルマイノリティに対する指導方法を研究していきますと答弁がなされていました。  しかしながら、教職員を対象に、セクシュアルマイノリティへの理解を図る研究会を実施してきた。今後も、セクシュアルマイノリティを初め、さまざまな人間課題に対する教職員の理解を深め、適切な対応ができるよう研修の充実に努めていきますとのことで、非常にこのことは大事なことでありますが、その次の、国の動向を踏まえ、セクシュアルマイノリティに対する指導方法を研究していきますとの答弁が気になりました。  文科省からの学校における支援の事例はわずかです。相談を受けたときの対話に対する対応の仕方は余り来ていないと思います。カミングアウトすることで相手に拒絶されるのではないか、関係が壊れるのではないか、いじめの対象にならないかなどの不安を持っています。リスクがあるにもかかわらずカミングアウトをするのは勇気の要ることです。相手が安心するためには、受けとめる側にがっちりと受けとめる自信がなくてはできないことと思います。  国の動向を踏まえ、セクシュアルマイノリティに対する指導方法等を研究するということですが、それでは遅いと思います。慎重になるのはわかりますが、相談に待ったはありません。即対応しなければなりません。文科省のセクシュアルマイノリティに対する指導方法等を待っても、地方行政が先を行っても、対応に問題があれば、どっちみち問われます。どうせ問われるなら、準備をやるだけやった方がよいのではないでしょうか。
     そこでお尋ねいたします。  1点目、相談を受けたとき、体制はどのようになっているのか。  2点目、プロジェクトチームを組み、相談対応マニュアルを作成してはどうか。  以上2点、教育長にお伺いいたします。          〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  LGBT対策につきましてお答え申し上げます。  性同一性障がい等を理由としました差別や偏見などにつきましては、平成26年7月に改定しました熊本市人権教育・啓発基本計画の中におきましても、人権問題として位置づけておりまして、教育委員会では、LGBTを含めさまざまな人権課題に対する教職員の理解を深め、適切な対応ができるようにし、全ての人の人権が尊重されるための人権教育を推進しているところでございます。  まず御質問の、相談を受けたときの体制についてでございますが、相談者が子供、保護者にかかわらず、相談を受けた際は、悩みや不安を抱える方々のよき理解者となるように努めることが必要でございまして、信頼を踏まえつつ、まずは悩みや不安を聞く姿勢を示すことが重要と考えております。そして、担任を初め養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、心のサポート相談員等、チームで対応する体制をつくっていくことが大切であると考えております。  さらに、必要に応じまして専門機関とも連携するとともに、相談を受けた担任や学校が孤立しないように、教育委員会におきましても早期から学校と連携してサポートしてまいります。  次に、プロジェクトチームを組み、相談対応マニュアル等を作成してはとの御提案でございますが、子供たちの悩みは多岐にわたっておりまして、特にLGBTの問題は、本人の願いや保護者の思い等を尊重しながら、個に応じてきめ細かに対応する必要がございます。先ほども申し上げましたが、学校では、チームでの対応を心がけ、画一的な対応ではなく、個別の事例における学校や家庭の状況等に応じた慎重な取り組みが必要であると考えております。  今後とも、全ての子供たちが笑顔で生き生きと自分らしく暮らせる学校づくりのために、教職員の研修に努め、丁寧な対応を心がけてまいりたいと考えております。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  チームでの対応を心がけ、画一的な対応ではなく、個別の事例における学校や家庭の状況等に応じ慎重に取り組むとのことです。よろしくお願いします。  私のプロジェクトという提案は今回初めての質問で、今から自分自身もっともっと研究して、そしてまた今後、この問題について勉強した上で、質問をさらに深めていきたいと思っております。  次に、空き家対策についてお尋ねいたします。  地元紙によると、国土交通省は、賃貸や売却物件を除く、全国の空き家のうち272万戸が、耐震性の不足や立地の悪さから活用が難しいとする推計を明らかにした。改修には多額の費用がかかると見られ、国交省は、解体や建てかえを促す施策を検討する。48万戸は簡単な手入れで再生可能だとして、活用を後押しする方針だ。  総務省によると、全国の空き家は、2013年10月1日時点で820万戸、そのうち賃貸・売却用の住宅、別荘を除いた一戸建て、共同住宅、計320万戸について、1、耐震性が十分、2、大規模な傷みや破損がない、3、最寄りの駅から距離が1キロ以内を条件に、活用可能な物件かどうかを分類した。3条件のいずれも満たしているのは48万戸。それ以外は、1981年以前の旧耐震基準で建てられたり、最寄り駅から遠く、交通便が悪かったりして活用困難とされた。また、国交省が空き家の持ち主に取得経緯を調査したところ、親族からなどの相続が56.4%で、新築や中古での購入を上回った。  国交省は、今後の住宅政策の方向性を定める住生活基本計画の改定作業の中で、空き家対策を柱の一つにする考え。16年度税制改正要望でも、空き家を相続した際の撤去やリフォームの負担軽減策を求めている記事でした。  このように、空き家問題は年々深刻の度合いを増しています。空き家対策を考えるためには、まず空き家情報の収集が大事と思いますので、今回は空き家の現状に絞ってお尋ねいたします。  1点目、熊本市の空き家の数を教えてください。住所の確認ができている分でお願いします。  2点目、今後、空き家の把握をどのように進めるのか。今後のスケジュールを教えてください。  3点目、空家等対策の推進に関する特別措置法で、都市建設局のスケジュールのどの段階で市町村の内部で利用が可能になるのでしょうか、お示しください。  以上3点、関係局長にお尋ねいたします。          〔永山國博都市建設局長 登壇〕 ◎永山國博 都市建設局長  空き家対策について、私からは2点のお尋ねにお答えをいたします。  1点目の、本市の空き家数についてでございますが、現在把握している空き家は、近隣から苦情相談が寄せられた、老朽化した空き家の291件でございます。  2点目の、空き家の把握の進め方についてでございますが、国の地方公共団体における空家調査の手引きに沿って、4つの段階を踏まえて進めることを考えております。  まず、空き家の特定と空き家の状態を把握するため、第1段階で水道閉栓状況等の既往のデータから調査する空き家の候補を抽出し、第2段階で現地調査を行うことになります。  次に、空き家の利活用に向けた空き家所有者の意向を把握するため、第3段階で自治会等の近隣への聞き込みや登記簿情報等のデータにより所有者の特定を行い、第4段階で、特定できた空き家の所有者に活用意向などのアンケート調査や聞き取りを行うこととなります。  議員御案内のとおり、空き家は年々増加していることから、今後の空き家対策を実施するためには、その実態を把握することが重要であると考えており、関係部署と連携しながら、早急に調査することを検討しております。          〔木下修一財政局長 登壇〕 ◎木下修一 財政局長  固定資産課税台帳に記載された税情報をどの段階で利用できるかというお尋ねにお答えいたします。  これまでは、地方税法第22条の規定により、税務部局の税情報については守秘義務が課せられ、固定資産課税関係所有者に関する情報を市町村の内部でも利用することができませんでした。  議員御指摘のとおり、空家等対策の推進に関する特別措置法では、第10条第1項の規定により、必要な限度において、固定資産課税台帳に記載された家屋等の所有者等に関する情報を空き家対策のために市町村の内部で利用できることとなりました。  そこで、先ほど都市建設局長が御説明した、スケジュールの第3段階の調査を行ってもなお所有者が不明な場合については、所有者情報を提供することが可能と思われますので、提供に向け検討してまいります。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。都市建設局のスケジュールの3段階が終わった時点で、空き家等対策のために、市町村の内部で利用することができそうです。  そこでお尋ねします。課税管理課より所有者の住所を聞き、空き家の所有者にアンケート調査用紙を送るなどし、所有者の意向を把握し、今後の対策に生かすようにしたらどうでしょうか。都市建設局長にお尋ねいたします。          〔永山國博都市建設局長 登壇〕 ◎永山國博 都市建設局長  今後の対策につきまして、先ほど述べましたように、アンケート調査や聞き取りを行うためには、空き家所有者の特定が必要でありますが、自治会等の近隣の聞き取りや登記簿情報等のデータを活用いたしましても、空き家所有者が特定できないことも考えられます。  このような場合には、空家等対策の推進に関する特別措置法に定められておりますように、固定資産課税台帳を活用することにより、可能な限り所有者の特定を行い、空き家活用の意向把握に努めてまいりたいと考えております。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  ありがとうございました。  空き家の実態把握がようやく進みそうです。空き家問題は年々増加していきますので、空き家対策は簡単にはいかないと思いますが、全庁挙げての取り組みで解決していただきたいと思っております。よろしくお願いします。  次に、ストレスチェック制度の取り組みについてお伺いします。  近年、職場でのメンタルヘルス問題による休業者や精神障がいの労災認定件数は増加傾向にあるようです。この問題に対して厚生労働省は、労働安全衛生法の一部を平成26年6月25日に改正し、新たにストレスチェック制度を設けました。  この制度の目的は、労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的としており、労働者自身のストレスへの気づきを促し、ストレスの原因となる職場環境改善につなげていくことになります。  そこで、この制度の実施時期と対象者について気になるところですが、実施時期は本年12月1日からで、対象者は、従業員50人以上の事業者で、自治体も対象者になります。  ちなみに、従業員50人未満の場合は、当分の間、努力義務となるそうです。  また、12月1日制度施行後は1年以内、具体的にいえば来年の平成28年11月30日までに、少なくとも1回の実施が義務づけされています。  市職員の中でも、ストレスを初め、何らかの原因で精神的な疾患で休職している職員が多いと聞きます。事前の調べでは、26年度は38名と伺っています。  今日、価値観も多様化する中で、本来持ち合わせた能力を遺憾なく発揮し、市民の奉仕者として職を全うしていただきたいと願っているのは、家族はもちろん、上司や同僚も同じ気持ちだと思います。  そこで、ストレスチェック制度の導入について、スケジュール及び対象者の数についてお尋ねいたします。  また、この制度の実施に当たっては、実施体制の確保、とりわけ医師の確保が重要と思いますが、どのように検討しているのか、総務局長にお尋ねいたします。          〔多野春光総務局長 登壇〕 ◎多野春光 総務局長  ストレスチェック制度について、3点お答えを申し上げます。  労働安全衛生法の改正によりまして、労働者が50人以上の事業所には、年1回、ストレスチェックの実施が義務づけられましたことから、本市では現在、同制度の導入に向けまして検討を進めているところでございます。  まず、お尋ねの導入のスケジュールでございますが、新年度に入り諸準備を進め、10月には調査票により各職員の心理的な負担の程度を把握し、その結果を見て、医師がストレスの度合いが大きい、いわゆるハイリスク者を選定することとしております。その後、11月には、ハイリスク者全員に対しまして、医師による面接指導を勧奨するとともに、希望しなかった職員には、保健師による相談指導を実施する予定といたしております。  これらの結果を受けまして、年度内には必要に応じ、職員への就業上の措置を行うほか、各職場の課題につきましても、集団的な分析に基づき、職場改善を図ることといたしております。  次に、対象となる職員でございますが、法に常時使用する労働者と定められておりますことから、市長事務部局や企業局の職員、教職員などに加えまして再任用職員や嘱託職員も対象となり、約1万4,000人と試算いたしております。  最後に、実施に当たっての医師の確保につきましては、国の基準に基づき実施するためには、医師、保健師など、所要の人員確保が必要となりますが、民間企業も含め、制度が全国一斉に開始されますことから、実施体制の核となります医師の確保に苦慮しているところでございまして、民間への業務委託も含め、現在検討を行っております。  職員が心身とも健康に日々の業務に専念できる、働きやすい職場づくりに向けまして、当制度の有効な活用を図ってまいりたいと考えております。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。  ストレスチェック制度では、制度設計、面接指導、就業上の措置のそれぞれの段階において、医師が大きな役割を果たします。また、ストレスチェックの結果を今後の職員の健康管理や保健指導に生かしていくことも考えますと、私は、少なくとも1名以上の常勤医師の配置が必要ではないかと思います。  総務局長答弁では、医師の確保について、民間企業との競争もあり苦慮しているとのことでありました。しかしながら、医師の確保は、この制度を有効に活用するには重要であることから、ここはぜひ市長に先頭に立っていただき、常勤医師の確保に努めていただきたいと思いますが、医師の確保に向けた大西市長の決意をお聞かせいただきたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  先ほど総務局長が御答弁申し上げましたとおり、ストレスチェック制度におきましては、医師が果たすべき役割は大変重要であるということでございますが、制度が一斉にスタートしますことから、全国で、企業でありますとか自治体が医師の確保に動き出しておりまして、その確保には大変苦慮しているところでございます。  今後、医師の確保に向けては、私も先頭に立って、最大限努力してまいりたいと考えております。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。医師の確保に向け最大限努力するとのお答えでしたので、民間に負けないよう、ぜひ優秀な医師を確保していただければと思います。また、民間企業では、いろいろなストレス解消法を取り入れているところがあり、学ぶべきことも多いと思いますが、とりわけ簡単な方法としては、職場に音を取り入れる手法は手軽で効果的ではないかと思います。ストレスチェック制度の導入に当たりましては、そのような手法も検討に加え、職員のメンタルヘルス問題に取り組んでいただければと思います。  次の質問に移ります。  水銀フリー対策についてお伺いいたします。  御承知のとおり、水銀フリーとは、水銀が含まれる製品をできる限り使わないようにし、また、使用済みの製品を適正に廃棄することにより、最終的に水銀が使われなくなる状態を言います。これをできるだけ多くの国が署名、締結することを目指して、平成25年10月、熊本市及び水俣市で水銀に関する水俣条約外交会議が開催され、世界140カ国が参加し、全会一致で採択され、蒲島知事が外交会議の開会記念式典において、水俣病のような悲劇を二度と繰り返してはいけないとの決意から、水銀に頼らない社会を目指す水銀フリー熊本宣言を熊本県は発表したと聞いています。  この宣言を踏まえ、熊本県では今後、水銀を使わない、きちんと処理する、国外に出さないという取り組みを行うことといたしました。過去に水銀が原因となり公害病を引き起こした地域の熊本として、率先した行動は重要な意義があり、水銀に関する水俣条約外交会議に参加した国々の理解づくりの上からも意義は大きいと思います。  今後の具体的な取り組みとしては、条約の主な内容として掲げられている、1、水銀を使った体温計、電池、血圧計のほか、水銀を一定量以上使用した蛍光灯などの水銀含有製品は、平成32年までに製造、輸出、輸入が原則禁止。2、金属水銀の輸出は原則禁止。3、水銀含有廃棄物を条約の締結国会議が定める条件に従って環境上適正な管理をすることが必要と定めたことを実行することにあります。  我が国もようやく、水銀による環境汚染の防止に関する法律と、大気汚染防止法の一部を改正する法律を本年6月12日に国会にて可決成立させ、6月19日に公布となりました。今、締結に向けて動き出してはいますが、現在、水俣条約に締結しているのは、世界で50カ国の締結が必要である中、12カ国にとどまり、日本も締結していません。我が国の締結に弾みをつけるとともに、これで我が国も水銀フリーの実現に一歩踏み出し、水俣条約の締結に弾みがつくことと、熊本県のみならず他県でも水銀フリーの取り組みが広がることを期待しています。  そこで質問ですが、本市での水銀の使用削減及び水銀廃棄物の回収、処理に関してはどのような対応をされているのか、環境局長にお尋ねいたします。          〔中村英文環境局長 登壇〕 ◎中村英文 環境局長  水銀の使用削減及び水銀廃棄物の回収、処理に関する対応についてお答えいたします。  まず、水銀製品などの使用削減につきましては、公共施設の照明機器におきまして、環境保全のための本市の率先行動を定めました熊本市公共事業環境配慮指針により、建物の新築時や街路灯などの屋外照明につきましては基本的にLEDを、また室内照明の改修の際には、LEDのほか水銀含有量の少ない高効率照明をあわせて導入してきたところでございます。  次に、水銀廃棄物の回収、処理についてでございますが、本市では、熊本県と連携し、率先して水銀フリー社会の実現を目指すため、家庭から出される蛍光管、水銀体温計・血圧計などを新たな収集品目とし、昨年10月から分別収集を開始しております。  その結果、本年9月までの1年間で蛍光管約50トン、水銀体温計・血圧計合わせまして290キログラムを収集したところでございまして、回収する水銀の量は約16キログラムになる見込みでございます。  この水銀につきましては、本市で引き取り、国の処分方針が決定するまで厳重に保管することといたしております。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  ありがとうございました。熊本市としても水銀フリーに本格的に動き出したところのようです。早く水銀が使われなくなる時代が来ればよいと思っております。  さて、前回の第3回定例会一般質問において、我が会派の園川議員は、本来ならば全市的な公共施設及び公共物全てのLED化計画推進について問いたかったところ、執行部からの事前の聞き取りで、全面的になると対応する部署がないとの理由で、仕方なく道路照明等に特化したLED化計画推進について質問したという経緯がございました。  そこで、蒲島知事が外交会議の開会記念式典において、水銀に頼らない社会を目指す水銀フリー熊本宣言を発表した当時、県会議員として活躍しておられ、現在は本市の最高責任者であられる大西市長に、水銀フリーの社会実現という観点から質問させていただきます。  全市的な公共施設及び公共物に使用されている、微量の水銀を含んだ全ての蛍光灯などの交換でありますが、このような大量の蛍光灯のLED化に向けた計画についてお尋ねいたします。よろしくお願いします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市の公共施設等のLED化についてお答えいたします。  先ほど議員の方からも御紹介ありましたとおり、一昨年の10月、本市及び水俣市で開催されました水銀に関する水俣条約外交会議の意義につきましては、私自身、県議会の水俣病対策特別委員会に在籍した者として、その重要性を深く認識しておりまして、改めて、県市連携のもと、水銀フリー社会の実現を目指して、率先した取り組みが肝要であると考えております。  本市では、先ほど環境局長が御答弁申し上げましたとおり、県からの提案を受け、昨年10月から水銀廃棄物の回収、処理を開始したところでございまして、また、議員お尋ねの公共施設等の照明機器につきましては、主に省エネルギーの観点から、LEDもしくは水銀含有量の少ない高効率照明をあわせて導入してきたところでございます。  今般、国においては、平成32年度を目途に、エネルギーを多く消費する白熱灯と蛍光灯の製造、輸入を禁止する方針を示されたところであり、これを契機とし、本市といたしましては、今後、省エネルギーの推進はもとより、水銀フリー社会の実現に向けた観点からも、公共施設等の照明灯についてはLED導入を原則とし、施設の改修や整備などにあわせて全市的に着実に進めてまいります。          〔17番 藤永弘議員 登壇〕 ◆藤永弘 議員  答弁ありがとうございました。照明灯についてはLED導入を原則とし、公共施設等の改修や整備計画などにあわせて全市的に着実に進めていくとのこと、よろしくお願いします。  今回、私の用意しました項目はこれで終了いたしました。傍聴していただいた市民の皆様、そして議員の皆様、インターネットでお聞きの皆様、大西市長を初め執行部の皆様に感謝します。  以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○藤岡照代 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。
                                午前11時46分 休憩                             ───────────                             午後 1時58分 再開 ○満永寿博 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○満永寿博 議長  一般質問を続行いたします。大石浩文議員。          〔32番 大石浩文議員 登壇 拍手〕 ◆大石浩文 議員  皆様、こんにちは。くまもと創生の大石浩文でございます。  本日、第4回定例会において、10回目となる質問の機会を与えていただきましたことに、議員各位、またこの議場にお集まりの皆様方に、心から感謝を申し上げたいと思います。  今回の一般質問は、この議場においては初めての大西市長との議論の場となりました。そこで、市長に対し失礼があってはならないと考えまして、政治ジャーナリストの櫻井よしこさんの書いた議論の作法という本を読んでまいりました。この議論の作法の中で櫻井さんは、みずからの議論の作法としてこう述べています。  議論は、勝てばよいというものではありません。より有益な結論を導くための対話が議論です。議論に臨む際の作法としては、まず大切なのは事前の準備であり、そして事実に忠実であり続けること。次に、相手の言い分に十分に耳を傾けること。そして、自分が正しいと確信していることは譲らないこと。最後が、日本人としての誇りを基本とすることと書かれてありました。  さらに、最後の日本人の誇りについては、こう述べています。議論に負けそうになったときも、うそやごまかしはしないことです。相手のうそは、事実を示して冷徹に指摘する一方で、みずからの論に誤りがあれば、それを潔くよく認め、言い逃れはしないことです。  まさに保守派の論客としての一端を垣間見ることができる言葉だと思いました。  そこで、今回の私の質問は、できるだけこの議論の作法に添えるよう努力してまいりますので、ぜひ大西市長を初め執行部の方々におかれては、より有益な結論を導くための対話となりますよう、明快で前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。  一問一答式に近い形となりますので、お手数をかけますが、わかりやすい言葉で遠慮なく次々と御答弁をいただきますよう、加えて御協力をお願いいたします。  それでは、通告に従いまして、早速質問に移らせていただきます。  思い起こせば、昨年のきょう、本庁玄関前にたくさんの市民の皆さんが、大西市長の初登庁を迎えられました。市長が第32代の熊本市長として就任され、丸1年を迎えたわけであります。市長は、市民が私のシンクタンクとの理念のもと、選挙戦を通じ、政策立案会議を市内各所で開催し、130の公約を掲げたマニフェストを示され、約13万の市民の支持を得られ、当選されました。市長就任後も、市民の皆さんとの対話を徹底的に重視するとの姿勢を明確に打ち出し、スピーディーな対応、取り組みをモットーとし、みずからのマニフェストにも直ちに着手されてきたものであります。  そこで、マニフェストへの取り組みなど、御自身のこの1年間の評価を含めた、市長就任1年を振り返っての所感について、大西市長にお尋ねをしたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  市長就任1年を振り返っての所感についてお答えいたします。  私は、ちょうど1年前の12月3日、第32代熊本市長に就任して以来、地域の声に耳を傾け、地域の実情に沿った市政を行うという地域主義の理念のもと、市民生活に直結したさまざまな課題について、常に市民にとって何が最良かということを考え、決断し、行動してまいりました。  このようなことから、例えば新たな総合計画の策定に当たっては、真に市民と行政が共有する計画とするため、中高生を初め幅広い年齢層とのワークショップや市民懇話会、各分野の団体ヒアリングなど、私はもとより、職員も積極的に市民の中に飛び込んで、市民の皆さんと課題を共有しながら作業を進めているところであります。  加えて、政令指定都市としての新たなステージを迎える熊本市においては、山積するさまざまな政策課題に正面から向き合い、スピード感を持って取り組んでいかなければならないと考えてまいりました。  そこで、市長選で掲げた130項目に及ぶマニフェストの中でも、市民の皆様からの要望が多かった江津湖花火大会の復活を初め、保育園の待機児童解消や中学校への空調設備設置のための設計、市電延伸に向けた調査検討等に着手するなど、迅速な対応を心がけてまいりました。  一方で、事務処理ミスや職員の不祥事など、市政への市民の信頼を失墜する事案が多発しており、市長として大変重く責任を感じているところでございます。  議員から、この1年の評価を含めてというお尋ねでございますが、私が目指す市政は、まだまだ緒についたばかりでございまして、評価するまでには至っていないと考えており、さらに全力を傾注していく覚悟でございます。  改めて、この1年間、私は後ろを振り向くことなく、まさに全力疾走してまいりましたが、熊本市長としてさまざまな経験をし、決断する中で、74万市民の生活を守る、その職責の重さとその重責を全力で担う覚悟は、日を追うごとにますます高まってきております。  今後とも、市民との対話を通じて地域の課題を把握し、市政に反映させるとともに、そこに住む市民の皆様がみずからの町に誇りを持ち、誰もが住み続けたい、訪れたいと思える上質な生活都市の実現に邁進する所存でございます。どうぞよろしくお願いいたします。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  市長、ありがとうございました。この1年についてはまだまだ評価するまでは至っていないとのことでしたが、マニフェストの着手などのスピーディーな取り組みは新たな市政への変化を感じるものであり、市民の方々からは高い評価を得られているのではないかと思っております。  また、今の答弁をお聞きして、市長が市長選出馬表明前に、74万市民の生命と財産を守る市長という職責の重さを考えると、安易な決断はできないのですとおっしゃったことを思い出しました。そして、就任後のこの1年でその重責を全力で担うとの覚悟がさらに高まっているとの市長の言葉を心強く感じますとともに、心からエールを送りたいと思います。  覚悟を胸にしたときに自分も周りも動き出すとも言います。市長の覚悟がさらに市政を動かす大きな力となっていくことを期待いたします。  それでは、次の項目にまいります。続けて、組織のあり方についてであります。  本年度の組織体制については、トップマネジメント体制の強化とともに政策形成や政策調整機能を充実させ、新たな行政課題への対応やより効率的な執行体制への見直しを図るため、まず、これまでの企画振興局を再編して、市長直下の組織として市長政策総室を設置されるとともに、企画振興局から東京事務所を独立させ、市民活動を総合的に支援する市民局として再編されております。また加えて、財政局に債権管理の適正化と円滑な運用を図るための債権管理推進室を設置するほか、MICE推進室を課相当の組織としてMICE推進課に再編し、教育委員会事務局におきましては、特別支援学校の設置準備を進めるため、総合支援課内に特別支援教育室を設置されました。また、さきの第3回定例会において大西市長は、現行の次長制について、次長の業務範囲を柔軟にしたことで権限と責任の所在も不明確となり、職責を担うことで職員も育成されるという点からは問題があると考えており、次長という職務がわかりづらく、対外的な会議等で困惑する人も多いと聞いており、見直す必要があると述べられ、新たな職制について検討したいとされております。  そこで市長にお尋ねいたしますが、前段でるる挙げさせていただきました今年度実施された組織改編の効果を、現在どう見ておられますでしょうか。また、具体的にどのような成果を上げられつつあるのでしょうか。さらに、次長制を見直した新たな職制を含めた新年度の組織改編については、具体的な構想が固まりつつあるとお聞きしておりますが、その中身について、現時点での市長のお考えをお示しください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  今年度及び新年度の組織改編についてお答えいたします。  まず、ことし4月に行った組織改編では、これからのまちづくりの指針となる新総合計画や、熊本市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定等に取り組むため市長政策総室を設置したほか、喫緊の課題であります債権管理の適正化を図る債権管理推進室の新設など、最小限度の改編を行ったところでございます。  これらの組織設置により、先ほど申し上げた重要な諸計画の策定は順調に進んでおりますほか、債権管理に関しましても今議会に基本方針案をお示しすることができるなど、一定の成果を上げているものと考えております。  次に、新年度の組織改編についてでございますが、現在策定中の新総合計画の施策体系に沿った体制を基本に、総合計画に掲げるまちづくりの重点的取り組みを強力に推進するとともに、さまざまな行政課題に迅速に対応できる組織体制を考えております。  具体的には、政策立案や調整機能の強化やトップマネジメントを確立するため政策局の設置を初め、観光やMICEの誘致推進などを一体的に推し進め交流人口の増加を図るため観光文化交流局の改組、本市の基幹産業である農業を戦略的に成長産業としていくための専任局の新設、さらには、地域主義の理念のもと、地域と行政の連携強化を図り、地域の特性を生かした地域づくりや活動を一層支援するため、現在の市民局の強化などを検討しております。  また、現行の次長制にかえて部長制を導入し、部長の権限と責任を明確にすることで、各施策・事業を着実かつ的確に実施する体制への変更も行いたいと考えております。  新年度の改編に向けて議会からの御意見もいただきながら、より簡素で効率的な組織、そして市民の方にわかりやすい組織体制となるよう検討を深めてまいりたいと考えております。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  本年度は最小限度の組織の改編でしたが、重要な諸計画の策定は順調であり、債権管理に関しては、来年4月の条例制定とそれに伴う組織の設置まで実施するような方針のようであります。この1年で着実に成果を上げられつつあるようです。  また、新年度については、策定中の総合計画の施策体系を基本にし、具体的に政策立案や政策調整機能の強化等を図るための政策局、また、昨日の答弁にもございました観光やMICEの誘致推進などを一体的に進めていく経済観光局、また、本市の基幹産業である農業を戦略的に成長産業としていくための専任局、農水局などの改編を目指しているとのことでありました。農水局等の農業専任組織の新設は、規模、予算の面からも私は意外な感じもいたしましたが、市長の思い、特に重点的に取り組むとの姿勢のあらわれであると理解いたしました。  さらに、現行の次長制を部長制とされるのは、権限と責任の明確化を図る、かつわかりやすい組織ということが目的だと思います。市長も述べられましたように、よりスピーディーで強力かつ柔軟に対応できる組織体制の確立を目指していただきたいと思います。  それでは、花火大会の検証と今後の考え方に移ります。  本市主催の花火大会については、市長が市長選挙を通じ、復活を待ち望む多くの市民の強い思いを受けとめられ、マニフェストにおいて、水の都のシンボルとして江津湖花火大会の復活を掲げられたことにより、市長就任1年目の本年8月に、5年ぶりに開催されたわけであります。  復活開催に当たっては、議会における答弁でも、国の経済対策により必要な財源確保に一定のめどが立ったことから、何よりも観客の安全確保を最優先事項と位置づけるとともに、今後とも花火大会を継続していくためには、民間企業や市民の方々の寄附なども含めた財源確保と運営に対する人的支援が欠かせないものと考えており、持続可能な実施体制と基盤づくりを進め、成功に向け全力で取り組んでまいりたいと、その意気込みを語られておりました。  当初予定されていた8月29日は、午後にかけて徐々に天候が悪化し、最終的には順延となり、翌日30日の開催となり、当初予測を下回ったものの、推定10万5,000人の来場者を数え、会場周辺はもとより、中心商店街においても大きなにぎわいがあったと聞いております。  しかしながら、本市主催としては5年ぶり、江津湖においては11年ぶりの開催であったわけでありますので、当然、雨天順延による混乱を初めとしたさまざまな課題も生じたものと考えられます。何よりも、今回の結果をしっかりと検証した上で、次年度以降の実施へ向け、課題の改善へ取り組んでいくことが重要であることは言うまでもありません。  そこでお尋ねをいたします。  本年8月に実施した江津湖花火大会の結果について、周辺住民へのアンケート調査等の結果も含め、どのように検証されており、さまざまな課題についてどう改善を図るべきだとお考えでしょうか。  また、次年時以降の実施に向けて、その方向性をお示しください。  さらに、市長がマニフェストにも掲げておられます熊本城での花火開催については、現時点でどのような思いをお持ちであるか、御答弁をお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  花火大会の検証と今後の考え方についてお答えいたします。  今般の5年ぶりの復活開催に当たっては、観客の安全確保を最重要課題として取り組んできた結果、開催当日は、関係機関の御協力により、特段の大きな事故もなく、無事に大会を終えることができたもので、改めて関係各位に御礼を申し上げる次第でございます。  議員御案内のとおり、今回の花火大会の観覧者数は推定で10万5,000人に上り、今大会を通じた大きなにぎわいは、会場周辺のみならず中心部の商店街へも及んだと報告されておりまして、経済波及効果は約10億5,100万円と推計されたところでございます。  また、今回の花火大会について周辺住民アンケート調査を行ったところ、見に行った感想として、「よかった」、「まあまあよかった」と回答された方が9割を超える結果となるなど、一定の成果があったものと考えております。  一方で、先日開催されました実行委員会におきまして、アンケートで挙げられた交通渋滞や迷惑駐車などに加え、大会順延に係る決定、公表の時期や周知方法、あるいはボランティアの活用方法等についての課題が指摘されたところでございます。  今後の開催に向けては、今大会を上回る観客数を想定したさらなる安全対策の強化が重要と考えておりまして、これらの課題に対して、熊本県警察を初め地元自治会等関係者との協議を重ねながら、一つ一つ丁寧に解決し、改善を図ってまいりたいと考えております。  次に、次年度以降の方向性についてでありますが、持続可能な花火大会を目指していくためには、市民や民間企業の皆様からの御支援が不可欠であることから、みんなの力で花火大会を開催するんだという市民の皆様の機運醸成に努めるとともに、実施体制及び財源確保の両面からさらなる官民連携の取り組みを強化し、来年度以降も継続して実施してまいりたいと考えております。  最後に、熊本城での花火開催についてでございますが、現在、中心商店街や地元地域が中心となり、熊本城域での新たな形での花火大会の開催に向け検討が進められておりまして、本市といたしましても、過去の花火大会において培ってきた経験を踏まえた支援、協力を行ってまいりたいと考えております。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  ありがとうございました。今回、何よりも最優先事項とされていた観客の安全確保がしっかりと図られた中で、大きなにぎわいを生んで成功裏に終えられたことは高く評価されるものであり、アンケート結果からも、周辺住民を初め多くの市民の方に非常に喜んでいただいたことは大きな成果であったと思います。復活開催を決められた市長の決断に改めて敬意を表したいと思います。  しかし、今回の事業費、またさらなる安全対策の強化を考えますと、今後の最大の課題は、市長の言われたとおり、財源確保と実施体制をどうつくり上げていくかだと思います。来年以降も継続して実施するとの力強い言葉がありました。ずっと続けていける花火大会を目指し、また、熊本城での実現も目指して、官民連携の力がさらに強いものとなるよう、私たちも知恵を絞り、ともに努力していかなければならないと思っております。  それでは、続きまして、市民病院建設着工延期についてであります。  市長は、本年1月21日の定例記者会見で、ここで病院経営が破綻してしまうような工事を着工させるというわけにはいかないというのが私の判断だということですと、市民病院建設着工の延期を表明されました。  御存じのように市民病院は、平成22年10月に策定した市有建築物耐震対策基本方針において、27年度までに耐震化すべき最優先の建築物と決められており、安全対策上、建てかえが検討されてきました。市議会においても、江藤委員長のもとで市民病院のあり方に関する特別委員会が開催され、現地建てかえを妥当とすることが確認され、その方針を受け、平成24年度には新病院基本計画を策定、基本設計、実施計画と進み、本年度から建設スケジュールを4期に分け、完成に約5カ年を要する工事着工の運びでありました。  ところが、新年度予算編成の段階で、大西市長によって凍結の判断が下され、事業費の削減策を検討するが、着工時期の目途は立っていないとの考えを示されたことは、私たち議会においても驚きを感じるとともに、今後の見通しについて非常に憂慮したわけでもあります。  このことについては、表明後の本年2月の第1回定例会における提案理由の説明の際に、市民病院の建てかえについては、最近の人件費や資機材等の価格の高騰などの要因により、このたび算出された建設費が209億円と、当初想定の133億円を大きく上回ることとなりました。このまま着工した場合、将来にわたって市民病院の経営上、大きな影響を与えることが想定されるため、来年度の着工を一旦延期させていただくことにしました。今後は、昨年成立した医療介護総合推進法に基づき、県において策定される予定となっている地域医療ビジョンの動向を注視しながら、年度内に国から示される予定の公立病院改革ガイドラインを参考に、市民病院としての新たな改革プランの策定に取り組む必要があり、この改革プランの策定と並行して、建設費の圧縮につながる方策について、議会での議論も踏まえ再検討したいと考えておりますと、凍結の理由と今後の考え方を述べられました。  また、記者会見の際には、計画の見直しとか移転新築については全くの白紙であるが、できるだけ早く結論を出さなければならないとも述べられており、状況の変化を見きわめつつ、今後の方向性について、執行部内で議論、検討がなされてきたのではないかと考えております。  そのような中、さきの9月の第3回定例会での決算審査において示された市民病院の平成26年度決算から見た経営状況については、近年、患者数は、入院、外来ともに減少傾向にある厳しい状況の中、経営努力により健闘はしているものの、収支状況に余裕はないため、内部留保もできない中、約60億円の借金である企業債未償還残高を抱えている状況にあります。  一方では、本年3月31日に総務省から新公立病院ガイドラインが示され、都道府県が策定する地域医療構想の策定状況や、地域医療構想との整合性を踏まえ、平成28年度までに新たな改革プランを策定することとされており、また、国の推計においては、平成37年時点で熊本県内の病床数が30%以上過剰になるとも言われており、これを見据えての医療体制の整備が必要となるようであります。  このように、今後、医療需要がさらに大きく変化することが見込まれる中、新ガイドラインにおいて、自治体病院として不採算医療等提供する役割を確保しつつも、経常黒字化するとの数値目標を設定することとされていることに加え、今回の建てかえの問題だけでなく、医療機器等設備の投資など、病院経営を取り巻く環境は一段と厳しい状況になるわけであります。  そのような状況を考えますと、市民病院建設着工延期については、現行計画の中で事業費の削減策の検討で済むような状況にないのではないかと危惧するものであります。現在地での建てかえを前提に、現行の市民病院の機能を維持、強化していくとの基本計画にとらわれることなく、今後、市民病院が担う主要な機能と、それに必要な施設規模を含め、抜本的な計画の再検討を行うべきではないのかとも思いますが、いかがでしょうか。大西市長の御見解をお示しください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  市民病院建設着工延期についてお答えいたします。  御承知のとおり、市民病院に関しては、平成24年7月に、市議会において市民病院のあり方に関する特別委員会が設置され、市民病院が担う役割、経営健全化、適切な病院規模、及び建てかえ手法の4項目について活発に御議論いただき、本委員会からの御提案を踏まえ、現在地での建てかえを進めてきたところでございます。  しかしながら、設計段階において、建設費や工事期間が当初想定と大きく異なったため、経営に与える影響を勘案し、着工を一旦延期する判断を下しました。  このような中、市民病院の経営は、特別委員会が開催されていた時期に比べ、年を追うごとに厳しくなっており、また、現地において建てかえを行った場合、その期間における減収も想定以上に大きくなると危惧され、病院経営上、看過できない状況となっております。  加えて、平成27年3月には、総務省から新公立病院改革ガイドラインが、また、厚生労働省からは地域医療構想策定ガイドラインが示され、これに基づき、熊本県において新たな地域医療構想の策定が進められるなど、病院を取り巻く環境も大きく変化しているところです。  私は、市長就任以前から市民病院について大きな関心を持っていたところであり、少子高齢化、人口減少社会が到来する中で、熊本都市圏、さらには熊本県全体を見据え、今後の市民病院のあり方に関し、基本計画も含め、いま一度、ゼロベースで見直さなければならないと考えております。  具体的には、県内における医療サービスの状況や周産期母子医療など、市民病院が長い歴史の中で培ってきた特性等を踏まえるとともに、現在策定を進めている新たな総合計画や地方創生総合戦略における本市が目指すべき将来方向を見据え、パブリックセクターとしての市民病院の位置づけや、医療分野において果たすべき役割について、改めて整理する必要があると考えております。  このようなことから、現在、市民病院を初め関係部局に必要な検討を進めるよう指示しておりますが、耐震化への対応も急ぐ必要があり、できるだけ早期に検討し、検討結果については適宜議会にも御報告申し上げ、幅広く御議論いただきながら、できるだけ早く結論を得たいと考えております。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  基本計画も含め、いま一度、ゼロベースで見直さなければならないとの大西市長の言葉には、重い決意を感じております。今後の医療需要の変化に加えて、経営基盤のしっかりとした強い競争力を持つ医療機関が多く存在するとの本市の特性も踏まえ、長期的な経営体制が確立できることを前提とした計画に基づいて、耐震化実施の道を探ることが必要だと思いますので、そう多くの時間はかけられない状況ですが、将来を見据えての十分な検討をお願いいたします。  それでは、次の質問へと移らせていただきます。  市電のカラー全面広告について、いわゆるラッピング広告電車についてであります。  現在、本市において、車体の全面にさまざまなカラー広告を施した、数多くのラッピング電車が終日運行しておりますのは、皆さん御存じのとおりであります。交通局に確認しましたら、18社の企業と現在契約中とのことであり、19両の市電が、派手な車体にそれぞれの企業のロゴマークや商品名、写真やキャラクター、イラストなどが表示された姿を毎日あらゆるところで目にすることができるわけであります。  このようなカラー全面広告電車については、本市交通局によりますと、車体の一部に広告を施した電車の運行を、市民の都市景観に対する意識の高まりにより平成元年に休止しましたが、経営悪化により再開の検討を始め、平成10年9月、熊本市屋外広告物条例の改正により全面広告が可能となったことで、ラッピング電車として運行を開始したようであります。  また、ラッピング電車として使用しているのは、保有車両54両のうち19両で、約35%であり、その割合に特に制限は設けていないとのことであります。  また、御存じのように、さきの9月の本議会において議決しました、来年2月からの市電運賃の改定についてですが、運賃値上げについては、平成4年10月以降、本格的な運賃の値上げ改定は見送ってきた中、来年2月より、23年ぶりに利用者に新たな御負担をお願いすることとなっており、150円から170円の値上げで1億3,000万円ほどの増収が見込めるようであります。  そこで、都市建設局長にお尋ねをしたいのですが、車体全面が広告であるラッピング電車は、平成10年9月、熊本市屋外広告物条例の改正により全面広告が可能となっておりますが、平成10年の屋外広告物条例の改正はどのような経緯によって行われ、どのような内容の改正によって全面広告が可能となったのでしょうか。  また、当時の屋外広告物審議会からは、全面広告の実施について、どのような意見がありましたか。御答弁をお願いいたします。          〔永山國博都市建設局長 登壇〕 ◎永山國博 都市建設局長  市電の車体広告につきましては、都市景観に対する市民意識の高まりにより、昭和63年に自家用以外について自主廃止されておりましたが、平成9年に、一般の車体広告及びカラー電車、いわゆるラッピング電車が実施できるよう、交通局から熊本市屋外広告物条例施行規則の一部改正について要望が出されております。  これを受けて、平成10年に熊本市屋外広告物審議会を開催いたしまして、交通局において、電車広告の復活に当たり、都市景観や市民感情に配慮した車体広告に関する実施基準を設け、学識経験者等を入れた審査会において十分な検討の上、実施することを前提に、屋外広告物条例施行規則における適用除外基準に路面電車の基準を新たに追加することが決定されております。
     その基準の内容は、路面電車の外面を利用する広告物の表示合計面積を、文字、ロゴ等については5.3平方メートル以内とすること、また、その表示方法については、蛍光、発光または反射を伴う塗料、または材料を使用しないこととしたものでありました。  なお、この審議会におきましては、各委員からデザインやボディーカラー等に対する多くの意見が出されたことから、交通局の企業イメージを損なわないデザインやボディーカラーの統一化、単に広告媒体とせず、市民に愛される電車となるよう意見要望が申し添えられ、答申が出されております。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  今の御答弁では、市電の屋外広告については、都市景観に対する市民意識の高まりにより、交通局が自主廃止していたものを再度、交通局によって電車広告復活の要望書が出されたため、条例改正に至ったようであります。  加えて、その条例改正の際に、交通局において都市景観や市民感情に配慮した車体広告に関する実施基準を設け、学識経験者等を入れた審査会において十分な検討の上実施することを前提として、規制の適用除外に市電を加えたとのことでした。  また、改正によって定めた、路面電車の外面を利用する広告物の表示面積は、5.3平方メートル以内であれば適用を除外するという基準は、交通局側から案として示されているようです。  屋外広告物審議会からは、全面広告の実施について、交通局の企業イメージを損なわないデザインやボディーカラーの統一化や、市電を単に広告媒体とせずに、市民に愛される電車となるよう要望意見が申し添えられ、答申が出されているとのことであります。  そこでお尋ねいたしますが、市電のカラー広告再開に当たり、条例改正の際に交通局から示された都市景観や市民感情に配慮した実施基準とは、具体的にどのようなものですか。  また、学識経験者等を入れた審査会とは、どのようなメンバーで構成されており、どのような審査が行われているのでしょうか。  さらに、熊本市屋外広告物条例施行規則において、無許可で路面電車の外面を利用する広告物の表示面積は5.3平方メートル以内と規定されているとのことですが、車体全面がカラー広告であるラッピング電車は、その規定内であるとは考えられませんが、どのような独自の基準、判断で実施されているのでしょうか。交通事業管理者の答弁を求めます。          〔西本賢正交通事業管理者 登壇〕 ◎西本賢正 交通事業管理者  それでは、市電のカラー全面広告の再開に関する御質問に順次お答え申し上げます。  まず、都市景観や市民感情に配慮した実施基準についてでございますが、平成10年7月に開催された熊本市屋外広告物審議会にお示しした熊本市交通局カラー広告電車実施基準案には、景観との適合性を十分考慮し、熊本の自然や歴史など都市の特色をイメージするようなもの、また、観光都市熊本を内外にアピールできるようなもの、さらには個性豊かでファション性あふれるスマートなものであることをその基本理念として掲げております。  現在、市電のカラー広告に当たっては、熊本市広告取扱規程に基づき、公の秩序、または善良の風俗を乱すおそれがある広告や美観を害する広告などについては、広告掲出を承認しないことといたしております。  また、交通局において熊本市カラー広告電車実施要綱を定め、面積やデザイン、色彩等について審査しているところでございまして、広告主の名称、企業ロゴマーク、広告の内容をあらわす文字などを広告表示面とし、それ以外の部分については、広告表示面との統一感を図るためのカラーリングは認めるものの、車両の窓ガラス部分などへのカラーリングを認めないなど、都市景観や市民感情に配慮しているところでございます。          〔議長退席、副議長着席〕  次に、学識経験者等を入れた審査会についてお答えを申し上げます。  審査会につきましては、交通局において、熊本市外側広告審査会を設置し、3人の民間の委員に委嘱している状況でございます。現在は、屋外広告関係者1人、学識経験者としてデザイナーお二方を委員といたしまして、広告のデザイン及び色彩の芸術性などを重要な審査要素として審査されている状況でございます。  最後に、独自の基準、判断についてお答えを申し上げます。  議員御指摘の熊本市屋外広告物条例施行規則における市電の表示面積については、5.3平方メートル以内と規定されており、その判断基準といたしましては、先ほど述べましたとおり、広告主の名称、企業ロゴマーク、広告内容をあらわす文字などを広告表示面として面積を積算しているところでございまして、広告表示面以外の部分につきましては、表示面との統一感を図るためのカラーリングを施すことといたしております。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  実施基準において、カラー広告電車の実施に当たっては、景観との適合性を十分考慮し、熊本の自然や歴史など、都市の特色をイメージするようなもの、観光都市熊本を内外にアピールできるようなもの等であることを基本理念とし、広告承認の可否を決定するとされておりますが、皆さん、今の走っている現状のラッピング電車を少し思い起こしていただきたいと思いますが、現状のラッピング電車においては、派手な原色の企業カラーに、一部では星や水玉模様などを配しており、そういった熊本の自然や歴史をイメージするというような理念は感じられないような気がいたします。また、広告業関係者のみの3名で構成されている審査会についても、実施基準に基づき審査を行うならば、やはり都市景観の視点で判断できる有識者等がメンバーとして必要ではないでしょうか。全面広告のラッピング電車としながらも、条例施行規則において、路面電車の外面を利用する広告物の表示面積は5.3平方メートル以内としている交通局の判断の根拠は、今御説明がありましたが、文字、ロゴ自体についてのみ。いわゆる文字だけの部分を表示面積と見ているというような説明でございました。  通常は、広告物といった場合は、こういった四角の看板1つを1つの面積と見るのが私は一般的ではないかと思いますが、交通局は、その中の文字だけの面積を表示面積と見ているそうであります。5.3平米という面積は、ちょっと先ほど早く来てはかったんですが、市長を初め皆さんが座っていらっしゃる机の4つ分の面積が、ほぼ5平米ぐらいの面積です。通常であれば、そのぐらいの表示面積しか広告物の規制の適用除外にはならないという中で、今のラッピング電車の運行が行われているということについては、私は、厳しい言い方ですが、規制をかいくぐって目的を成し遂げようとする脱法行為ならぬ脱条例行為ではないかというふうに感じます。  条例を所管する開発景観課にも確認しましたが、屋外広告物の許可において、表示面積をこのように測定することはあり得ないことは言うまでもありません。しかしながら、市電のカラー全面広告による広告料収入が交通局の経営改善に貢献してきたことは事実であり、そのことを否定するものではありません。それでもやはり、経営が苦しいから広告料をふやす、それだけです。そこに景観に対する考えはないのです。景観というのは熊本にとって何なのかということが根底にあって、それをベースにして考えるべきではないでしょうか。市電を観光の対象とし、景観と見るかどうかが問われます。  ヨーロッパでは、観光の対象となる景観からは一切、情報、看板類を削除するのが主流であり、一切の広告物は排除されます。  また、一方で、広告というのは非常に難しいものです。見せるためにあるわけですから、目立たなければ意味がありません。どうしても弱肉強食になります。隣の広告より強め強めと広がっていくものであり、やはり節度が必要であり、そこに品格を忘れてはならないと思います。見たくないテレビの広告ならチャンネルを変えれば済みますが、車体全面に派手な広告をまとった市電は、本市のメーンストリートをこれみよがしに動き回ります。そのありさまは、多くの市民や熊本を訪れる国内外の観光客にとって、全く迷惑な押しつけ行為と映るのではないでしょうか。  今回、このことを一般質問で取り上げるきっかけは、さきの選挙を通じ複数の方から、ラッピング電車は熊本の景観にふさわしくないからやめてほしいとの声をお聞きしたことです。また、質問の参考にと考え、先月、私が市政報告会を開催した際に、60名ほどの参加者に、全面カラー広告で走るラッピング電車を熊本市の景観上、問題があると思われますかとお聞きしたところ、ほぼ半数に近い方が手を挙げられ、私の想像以上の反応であったことからです。  ただ、私は、車体のカラー広告が一切だめだと申し上げているのではありません。誰が見ても、条例の定める5.3平方メートル以内の範囲内での実施であるならば、ここまで異を唱えるつもりはありません。また、車体全面を使ったラッピング電車も、町を楽しくし、誰もが乗ってみたくなるようなもので、期間及び車両を限定してイベント的に行うなど、ラッピング電車については景観に配慮したデザインで、許可を受けての運行は問題ないと思いますし、今月から運行を始められましたイルミネーション電車については、1両だけでなく、もっと多くの車両で実施していただきたいとも思っております。  やはり熊本の自然や歴史など、都市の特色をイメージするようなものとの当初の実施基準にそぐわない現状を見ると、広告のデザインや色彩を含めた許可判断を、広告収入の増収という視点のみで交通局の独断専決に任せて実施していることは看過できません。加えて、交通局みずからが要望して改正してもらった条例規制の基準をも超えている現状を黙認することはできないと考えます。みずからが公共交通機関である市電の車体を全面にわたり広告媒体にすることは、市が熊本の景観を守るために定めた広告規制をみずから破る矛盾を犯すことになるのではないでしょうか。  以上、るる述べましたとおり、今回の利用者に新たな負担をお願いする料金改定を機に、カラー全面広告のラッピング電車の運行は見直すべきではないでしょうか。私は、美しい熊本の景観を守り発展させるため、車体全面を広告としたラッピング電車の運行は見直し、誰が見ても条例の定めを超えていない範囲での車体広告への実施と改善すべきではないかと考えますが、交通事業管理者の御見解をお尋ねします。          〔西本賢正交通事業管理者 登壇〕 ◎西本賢正 交通事業管理者  市電のカラー全面広告の自粛に関する御質問にお答え申し上げます。  御承知のとおり、現在、交通局の経営にとりまして、カラー広告電車の広告収入は重要な収入源となっており、カラー広告電車を自粛することは、経営上、困難な状況と考えております。  しかしながら、常に企業の経済性を発揮し、公共の福祉を増進するよう求められる交通局といたしまして、本市の都市景観に配慮することも重要であると認識いたしております。  したがいまして、今後の市電のカラー広告の運用につきましては、議員の御意見を踏まえ、関係部局と協議しながら、デザインやカラーリングなどの基準や審査方法について検討すべき点や課題を整理するとともに、本市の都市景観にふさわしいカラー広告のあり方について検討してまいりたいと考えております。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  交通事業管理者の検討するとの答えは非常に残念です。冒頭で申し上げた櫻井よしこさんの議論の作法から言えば、管理者の考えには耳を傾けますが、正しいと思うことは譲らないこととも書いてございましたので、はい、そうですかと言うわけにはまいりません。これは交通局の経営上の問題だけではないと考えますし、鉄軌道の充実が必要とされ、延伸化にも取り組まれております大西市長にもぜひお考えをお聞きしたいと思います。  繰り返しになりますが、景観というのは熊本にとって何なのかということが根底にあり、それをベースにして考えるべきであり、市電を観光の対象とし、景観と見るかどうかが問われると考えますが、大西市長は、歴史的景観を有する本市の特性から見て、現在の車体全面カラー広告のラッピング電車のあり方をどうお考えでしょうか。  さらに、車体全面を広告媒体とした全面カラー広告をうたうラッピング電車としながらも、文字、ロゴ自体についてのみ細かく切り込んだものだけを表示面積とし、本市の条例が定める5.3平方メートル以内としている交通局の姿勢に問題はないのでしょうか。このことは、本市が景観を守るために定め、市民にその遵守をお願いしている広告規制を、公共交通機関である市電が車体全面を広告媒体にし、みずから破る矛盾を犯していることにはなりませんか。これからは、誰が見ても、条例の定める範囲内であると納得できる形での実施とし、正々堂々と基準をクリアすべきではないでしょうか。もし仮に市民に不評でも、何としても全面カラー広告のラッピング電車を実施するならば、条例改正などの手続を踏んで実施すべきではありませんか。大西市長の御見解をお示しください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  市電のカラー全面広告についての御質問でございますが、経営が大変厳しい交通事業において、特に車両広告の収入を得るなど、みずからの資産を生かし、経営の健全化を図るということは、持続可能な公共交通を維持するという観点から、現時点では必要なことと考えております。  また、一方で、議員御指摘の交通局における市電のカラー広告の運用については、その基準や審査方法等を含め検討すべき点、あるいは課題を整理するよう、今後、関係部局に指示してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、本市のシンボルとも言うべき市電につきましては、良好な都市景観を形成する観点から、できるだけ景観に配慮することが望ましいと考えております。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  当初予定していませんでしたが、大西市長にも質問にお答えいただきましてありがとうございました。  経営上は、交通局としては必要であるが、今、文字だけを切り刻んでということでお話をしましたが、そういった運用基準については見直しを指示したいというような御答弁もありました。  私は今回、町なかで通過していく市電をずっと眺めていく中で、そういった数台のラッピング電車の後に、水戸岡鋭治さんのデザインされた超低床電車のCOCOROを見ると、とても安心した気持ちになりました。落ち着いた茶色の美しい車体が乗客を魅了するそのCOCOROの存在が、逆に都市景観の中でラッピング電車の異質さを際立たせているように私は感じました。  私としては、交通事業管理者からは、ことしの流行語大賞ではありませんが、安心してください、見直しますよと言っていただきたかったのですが、市長の方からは、運用の基準を見直すよう指示したいというお話もありましたので、今後の取り組みをしっかりと見てまいりたいと思います。市長、また事業管理者の方も、やはり正々堂々と条例をクリアできるような形に持っていっていただくよう、重ねて要望したいと思います。  それでは、時間もありませんので、次の教育行政の質問に移らせていただきます。  まず最初に、小中学校教職員削減についてであります。  マスコミの報道等で御存じのように、来年度予算の編成を控え、公立小中学校の教職員定数をめぐる財務省と文部科学省の対立が激しさを増しているようであります。  改めて説明いたしますと、財務省は、10月26日に開催された財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会において、公立小中学校の約69万4,000人の教職員数について、来年度予算編成で3,500人規模の削減を求める方針を決めたと報道がなされました。  具体的には、少子化で学級数が減ることで、平成36年度までに約3万7,000人を削減すべきだと主張しており、27年度予算の教職員人件費の国庫負担分は1兆5,284億円だったことから、28年度予算案が財務省の方針どおりに決着すれば、70億から80億円規模の削減になるようであります。  また、財務省は、現在969万人の児童・生徒数が平成36年度までに94万人減り、38万7,000ある学級数も2万1,000減ると想定しており、現行の1学級当たり平均1.8人の教職員の配置割合を維持した場合、36年度までに3万7,000人の削減が可能だとしています。  その一方で文部科学省は、教育現場は慢性的な人手不足と主張。いじめ問題に対処したり、児童や生徒参加型の授業など学習内容の充実化を図ったりするためには、大幅な削減には応じられないとの立場であり、36年度の教職員数を現在より約5,000人減にとどめる人員計画を策定済みで、両省の主張は大きく隔たっております。  財務省は、人手不足について、部活動の指導や書類作成などで教員の負担が大きいことは認めているものの、スクールソーシャルワーカーなどの専門スタッフをふやした方が有効と主張。しかしながら文科省側は、教員がいてこそ専門スタッフも機能すると譲らない状況となっております。  また、財政制度分科会に財務省側が提出した資料においては、教職員定数に関する幾つかの疑問として、教員数がふえればいじめや不登校は解決できるのか、学力は向上するのか、教員の多忙さは解消されるのかという3つの疑問が示され、それぞれについて否定的な答えを導く形で議論がなされており、教員増の効果などを含め、今後も両省の間で厳しい論争が予想されております。  そこで、教育委員長にお尋ねいたします。  このような我が国の将来を左右する教育に対する財務省の認識や議論をどう受けとめておられますか。  また、財務省が教職員定数に関する幾つかの疑問としている、教員の数がふえればいじめや不登校は解決できるのか、学力は向上するのか、教員の多忙さは解消されるのかという3つの疑問について、本市教育委員会としてどのような答えをお持ちでしょうか。  少子化時代の教員数確保という課題について、教育委員長の御見解をお示しください。          〔崎元達郎教育委員会委員長 登壇〕 ◎崎元達郎 教育委員会委員長  小中学校教職員削減につきましてお答えいたします。  議員御紹介のとおり、来年度の予算編成に向けまして、財務省から公立小中学校の教職員定数の削減案が示されました。財源確保中心の議論であり、子供たちの実態や学校現場の厳しい状況を理解していないものであると考えております。  教職員定数を機械的に削減することにつきましては、将来を担う子供たちの教育環境の悪化に直結し、結果として社会の発展が望めなくなりますことから、強い懸念を抱いております。  財務省は、教職員数の増加が、いじめや不登校の解決、学力の向上、教員の多忙化の解消に効果があるか疑問であるとの見解を示しておりますが、少人数学級や少人数指導、加配教員の拡充により必要な教職員数を確保することによりまして、教職員が子供たちと向き合う時間が確保されますとともに、自己研さんによる資質、能力の向上が期待されるのは明らかでございます。  このようなことから、いじめや不登校の解決につきましては、これまで目の届きにくかった子供たち一人一人の状況にきめ細かく対応できるようになり、早期発見、早期対応につながるものと考えております。  同様に、少人数学級、少人数指導により、子供たち一人一人に応じた丁寧な指導が可能となりますことから、子供たちの理解が高まりますとともに学習意欲も高まり、学力向上につながるものと考えております。  また、学校を取り巻く環境は複雑化、困難化しており、教員に求められる役割も拡大する中で、それが長時間労働、多忙化となってあらわれている状況がございます。  スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー等の専門スタッフや地域人材の活用も必要ではございますが、中心となって子供たちの教育に携わるのは教職員であり、教職員数の増加は、その多忙化解消にとどまらず、教育現場が持つさまざまな課題の解決につながり、教育効果は高いものと考えております。  これまでも、教職員定数の改善・充実につきましては、政令指定都市市長会あるいは政令指定都市教育委員・教育長協議会におきましても、国に対し要望を行ってきたところでございまして、今回の削減案につきましても、改めて教職員定数の改善・充実が図られるよう、緊急要望を行ったところでございます。  政府の基本方針におきましても、経済成長の源泉は人であり、教育を通じた人材養成は極めて重要な先行投資であると位置づけられておりますように、教育は国家百年の計でございます。教職員数の増加の効果を客観的データに基づいて定量的に実証することが難しく、また、それゆえに、そのような調査研究が少ないと感じてはおりますが、予算削減のために教職員定数を削減することなく、多様な教育課題やニーズに応じた教育活動を行うために必要な教職員数を確保するため、さらなる教職員定数の改善・充実が必要であると考えております。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  ありがとうございました。教育委員長は、教育に対する財務省の認識や議論について、教職員定数の機械的な削減は教育環境の悪化に直結し、結果として社会の発展を阻害するとの強い懸念を示されました。私も同様の思いを持つ者として、教育は日本の将来を担う子供たちへの先行投資であり、財政再建とのバランスを考慮しつつも、財源確保中心の議論では未来に禍根を残すと考えます。  残念ながら我が国は、公的教育支出の割合が他の先進国に比べて低いことを忘れてはならないと思います。無論、文科省も、教員数の確保を目指すのであれば、論拠をきちんと示す必要があると思います。特に教育界には、定数削減により教員の長時間労働に拍車がかかるのではとの懸念が強いようであります。ただ、多忙化の原因が部活動の指導や教育委員会からの調査への回答といった事務作業にあるのも事実であり、そのことはしっかりと受けとめていただきたいと思います。  また、数の確保と同時に、やはり教育は人なりと言われるように、国民が求める学校教育を実現するためには、子供たちや保護者はもとより、広く社会から尊敬され信頼される質の高い教師を養成、確保することが不可欠です。大量定年退職の時期を迎え、その補充が学校現場の課題になっている一方で、教員採用試験の受験者数は基本的には横ばい傾向です。採用者は増加しているのに受験者はそれほどふえていないとすれば、当然、採用試験の競争率は低下します。余りにも競争率が下がれば、次第に安易な受験者がふえ、能力が低くても合格する可能性が高まり、質の低下が懸念されます。  近年、教員の質の低下が議論されますが、私は、教員の質の低下というのは、現状では絶対値として質が低下したというものではなく、社会の変化、進展が急激であり、かつひどいため、対応が追いついていないという総体的なものであると認識いたします。  しかし、教員自身も、実社会の理解という点では弱く、対応力が弱いというのも事実ですが、努力してもなかなかうまくいかない、あるいは報われないというのが実態ではないかと思います。  そこで、やはり教員採用についても、教師としての確かな指導力や総合的な人間力を見きわめるため、人物評価を一層重視するとともに、ボランティア等の諸活動の実績を評価する選考方法の改善を進めるなど、採用段階でよりすぐれた教員を確保するための積極的な工夫、改善の取り組みを教育委員会には今後も求めてまいりたいというふうに思います。  それでは、続いて、教育行政の課題に関し、部活動のあり方についてであります。  この件については、近年、教育活動として本来の姿が失われ、一部の加熱する指導者や保護者により、過度の負担が児童・生徒にかかっている状況について、平成21年の第4回定例会及び平成24年の同じく第4回定例会の2回の一般質問において私も取り上げてまいりました。その際には、校長を中心に、児童・生徒にとって望ましい運動部活動を目指すこととし、練習日や練習時間、練習試合や大会参加に制限を加えることとした新たな運動部活動の指針の決定が図られていない現状について、改善のために教育委員会が本気で取り組むのか、その姿勢が問われていると指摘いたしました。  教育委員会としても、指針の趣旨が十分に現場に浸透しているとは言えない状況について大きな課題であると認識しており、指針の遵守についてより個別具体的な指導を行うとともに、教育委員会と学校が一体となりながら、真に子供たちにとって意義深く魅力のある運動部活動となるよう努めると述べられております。  しかしながら、現在においても、その指針が徹底されているとは言いがたく、特に中学校の部活動においては、勝つことのみを目指した活動や、子供たちの疲労の蓄積、スポーツ障害、また体罰やいじめなど、多くの問題を抱えているのが現状であります。  このように部活動についてさまざまな課題が指摘される中、熊本県教育委員会では、平成25年度に外部有識者による検討委員会を設置し、今後の運動部活動のあり方について議論を重ね、平成26年2月に運動部活動及びスポーツ活動のあり方についての提言をまとめ、市町村教育委員会やPTA代表及び校長等に説明及びアンケートを実施し、さまざまな意見を聴取されております。そして、これらのことを踏まえて、これから大きく変化する社会の中で、地域の教育力を積極的に活用した社会体育への移行や社会体育との連携など、児童・生徒にとって安心、安定したスポーツ環境を確保することとし、児童・生徒のための運動部活動及びスポーツ活動の基本方針が策定されております。  内容については御存じの方も多いと思いますが、少し御紹介させていただくと、この中で4つの基本方針が示され、加えて、その推進のための具体的な取り組みを挙げてあります。  まず、基本方針1として、小学校の運動部活動は社会体育へ移行するとし、移行期間を4年間として、平成30年度末には各市町村において達成できるようにするとしています。また、基本方針2として、中学校、高等学校の運動部活動は社会体育と連携することとし、校内委員会を設置し、連携し、活動の充実を図るとしています。基本方針3においては、生徒の発育段階に応じた運動部活動を行うとし、活動内容や休養日の設定などにより勝利至上主義に陥ることのない適切な活動を行うこととし、基本方針4において、指導者の資質向上を図ると定めています。  この県教育委員会がまとめた児童・生徒のための運動部活動及びスポーツ活動の基本方針のうち、特に基本方針1の小学校の運動部活動は社会体育へ移行するとの考えについては、3年後、各市町村での移行を目指すこととされていることもあり、本市においても、児童、保護者はもちろんのこと、部活動及び社会体育にかかわる多くの関係者など、市民の関心は非常に高いものがあります。  本市教育委員会が実施しております教育に関するタウンミーティングにおいても、この運動部活動の社会体育への移行については、毎回のように参加者から質問があっているようであります。しかしながら、その際も本市の方向性すら示されておらず、本市教育委員会の考え方は全く伝わってこないばかりでなく、検討しているのかさえも見えていないのが現状ではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。この県教育委員会がまとめた児童・生徒のための運動部活動及びスポーツ活動の基本方針について、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。  特に、市民の関心の高い小学校運動部活動の社会体育への移行については、他の県内市町村と同様、3年後の移行を目指すのでしょうか。  また、そのことについて、現在、どのような取り組みのもとに検討されているのでしょうか。教育長の答弁を求めます。          〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  部活動のあり方に関しましての御質問にお答え申し上げます。  運動部活動は、児童・生徒にとって、スポーツの楽しさを味わい、体力の向上や健康の増進を図りますとともに、社会性や自主性を養うなど、極めて有意義な役割を担っております。  現在、本市におきましては、小学校4年生以上の48.1%、中学校で58.6%の児童・生徒が運動部活動に入部しており、多くの子供たちの学校生活において欠かせないものとなっております。  そのような中で、まず御質問の県教育委員会の基本方針に対します認識についてでございますが、熊本県が策定いたしました基本方針では、中学校、高等学校の運動部活動の社会体育との連携、発達段階に応じた活動、指導者の資質向上が示されたところでございまして、これらは本市におきましても同様の考えで取り組み、適正な活動と適切な指導を確保すべきものというふうに考えております。  一方で、熊本市を除きます小学校の運動部活動につきましては、議員御案内のとおり、平成31年度から社会体育へ完全に移行するとされたところでございます。  これは、少子化に伴いますチーム編成の困難、児童や保護者のニーズの多様化、指導者不足などの課題に対応し、児童にとって適切なスポーツ環境を確保することが目的とされておりますが、本市におきましては、現時点では少子化に伴う課題は少なく、県内の他の市町村とは状況が異なっている部分もあるというふうに考えております。  その中で、小学校運動部活動につきましての検討状況でございますが、本市におきましては昨年度、校長や教諭で構成します検討部会を設置いたしまして、今後の小学校の運動部活動のあり方につきまして、社会体育への移行も1つの選択として検討を行い、今年度は、社会体育の競技団体等の関係者との意見交換を実施してきたところでございます。  これまでの議論を踏まえまして、現段階の検討状況を申し上げますと、現在、学校教育活動である運動部活動が社会体育の活動も行うという二面性を有していることがさまざまな課題の要因となっていると捉えておりまして、これを是正する必要があると考えているところでございます。
     具体的には、小学校の時期は基本的な体力を身につけますとともに、バランスのとれた体づくりや運動の楽しさを味わうことが重要であり、このような小学校の教育活動としての意義や役割を踏まえ、出場できる大会の制限や練習時間等の活動の縮小など、そのあり方を見直すこととし、その際、複数の種目を実施する総合運動部の設置を促進することも必要であるというふうに考えております。  あわせまして、専門的な競技に触れ、技能を高めたいというニーズがある場合につきましては、社会体育へ向けた取り組みも支援するという方向でさらに検討、協議を進め、今年度中には熊本市としての方針を示してまいりたいと考えております。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  教育長からは、本市においては、少子化に伴うチーム編成の困難など、課題は少なく、他の市町村とは状況が異なっており、小学校運動部の平成31年度からの社会体育への完全移行は行わないとの答弁だったと思います。小学校の教育活動としての意義や役割を踏まえ、活動の縮小などそのあり方を見直すとのことでした。  小学校部活動については、本市は県内の他の市町村とは別の道を歩むようであります。私はそのことに異議を唱えるつもりはありませんが、これまでも教育委員会が定めた新たな運動部活動の指針の徹底が図られていなかった現状を考えると、勝つことのみを目指した活動や、子供たちの疲労の蓄積、スポーツ障害、また体罰やいじめなど、部活動が抱えるさまざまな課題が改善に向かうのかが疑問でもあります。そのあり方を見直すことについては、本来、見直しが必要なのは中学校の部活動ではないかと思っておりますので、中学校の部活動についても、そのあり方の見直しに取り組んでいただきますよう要望しておきます。  それでは、教育行政の課題についての最後になります市立幼稚園基本計画についてであります。  本市は現在、碩台、一新、川尻、向山、古町、熊本五福、楠、隈庄の8園の市立幼稚園を有し、これまで、主体的に動ける子供が育つ、質の高い幼児教育を行ってきたことが高く評価されてきておりますのは皆さん御存じのとおりであります。その市立幼稚園のあり方を見直すというこの熊本市立幼稚園基本計画についても、私は昨年、平成26年6月の第2回定例会の一般質問において取り上げさせていただきました。  この基本計画は、園児数の減少、また幼稚園教諭の採用を行ってこなかったことによる人的体制の課題、さらにはほとんどの施設が建築後40年近いという施設老朽化などの問題を抱える市立幼稚園について、これからは公立幼稚園の特性を生かし、私立幼稚園では担うことが難しい特別な教育的支援を必要とする子供たちへの支援や、先導する研修に取り組むなど、いわゆるコア幼稚園的役割を果たすこととし、あわせて、市立幼稚園の適正配置を図る上で、古町、熊本五福幼稚園の2園は閉園するとの教育委員会の案が示されたものでありました。  このことに対し、当時、多くの市民からさまざまな意見が寄せられ、特に古町、熊本五福の2園の閉園については、保護者、地元自治会などから、閉園を撤回し、存続を求める3万8,000人の署名が教育長に提出されるという状況となり、その後も教育委員会では、保護者、地域の方々への説明会を実施するなどし、本計画素案への理解を求めましたが、いまだ説明が不十分な点が多いと、計画実施への反対の声はさらに拡大しておりました。  そのような中、私の質問の趣旨としては、最初から閉園ありきでのこれまでの進め方に問題があり、教育委員会の示す閉園の地域への影響については真摯に受けとめるものの、来年度への準備を考えると、この6月議会を経て、その後の教育委員会会議で決定したいとのスケジュールは見直すべきではないか。地域の方々からは、地域が常にかかわってきた歴史にも目を向け判断すべきであり、それでも閉園するのなら、地域の思いや愛着も考慮し、施設を地域に返してほしいとの強い意見もあることを考えると、ここで結論を出し、強引に素案どおり進めることなく、保護者及び地域住民の持つ不信や疑問の解消を図り、もう少し時間をかけて、それぞれの声をしっかりと反映した計画となるよう努力すべきではないかと改善を求めました。  教育長からの答弁は、本計画素案については8月までに決定する予定であったが、本市幼稚園教育の充実に向けたコア幼稚園としてのより具体的な姿を示すとともに、まちづくりの観点も考慮し、保護者や地域の皆様の御意見を伺い、話し合いを進めるなど、時間をかけて丁寧な対応に努めるとの答弁があり、計画決定は見送るとの判断を示していただいたわけであります。  それから1年半が経過しようとしております。当時、ただやみくもに先延ばしするだけでは意味がないとの意見も述べさせていただきましたが、これまでどのような協議の中で保護者や地域の皆さんの御意見を伺い、話し合いを進めてこられたのでしょうか。また、今後どのように計画案に保護者や地域の方々の声を反映させるおつもりでしょうか。教育長の御見解をお示しください。          〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  市立幼稚園基本計画の素案につきましての協議の経緯と計画への反映につきましてお答え申し上げます。  平成25年9月に、市立幼稚園2園の閉園を含みます熊本市立幼稚園基本計画素案をお示ししましたところでございますが、保護者や地域の方々への説明会やパブリックコメントを通しまして、多くの市民の皆様から多方面にわたる御意見をいただきました。  そのようなことから、再度、地域へ直接出向き、コア幼稚園のより具体的な姿をお示しいたしますとともに、まちづくりの観点も考慮いたしまして保護者や地域の皆様方の御意見を伺い、話し合いを進めるなど、時間をかけて対応してまいりました。  その中で、子供が地元で育つことができるようにしてほしいとの御意見が皆様から多く聞かれたところでございます。そのような思いを踏まえまして教育委員会では、福祉部局とも協議の上、慎重に検討してまいりました。  これからの市立幼稚園の果たすべき役割といたしましては、公立ならではの特性を最大限生かしまして、特別支援教育の充実や幼小接続の取り組みの推進など先導的な役割を担い、本市全体の幼稚園教育の充実につなげていかなければならず、限られた財源と人員の中でこのような取り組みを行いますためには、古町幼稚園と熊本五福幼稚園の2園を閉園せざるを得ないものと考えております。  その一方で、保護者や地域の皆様からの御意見に配慮いたしまして、幼稚園または認定こども園などとして施設の民間移譲を行いますことで幼児教育や保育の場としての活用ができないか、そのような方向性を考えておりまして、今後、保護者や地域の皆様への丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。  幼児期は、子供たちが健やかに育ち、生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期でありますことから、教育委員会といたしましては、本市全体の幼稚園教育の充実に取り組んでまいりたいと、このように考えております。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  ありがとうございました。限られた財源と人員の中では、古町、五福の2園の廃園は避けられないが、地域の方々、保護者の声に配慮して、民間移譲をすることとしたとのお答えでした。  しかし、民間移譲した場合問題なのは、やはり誰が受け継ぐかであります。どのような理念や方針で運営されるか。公立幼稚園のある意味、収支を度外視しての質の高さを維持していくのはなかなか難しい面もあるかと思います。また、将来的には少子化に向かうというような状況もあり、やはりさまざまな課題があると思います。  教育長もおっしゃいましたけれども、今後も保護者、地域に丁寧な説明、そしてその後の対応に努めていただきますようお願いいたします。  それでは、最後の項目であります龍神橋の架けかえについてであります。  平成24年7月の九州北部豪雨において、白川水系白川及び黒川では、観測史上最高の水位を記録する洪水により甚大な被害が発生し、熊本市街地、阿蘇市街地などを中心に2,983戸の家屋、事業所等が浸水する被害となりました。  この災害に対して国土交通省及び熊本県では、緊急対策として、河川激甚災害対策特別緊急事業を24年度よりおおむね5年間で423億円を費やし実施することとなり、その中で、小磧橋から明午橋間の中央区大江地区、渡鹿地区等については、国土交通省が堤防整備、河道掘削に加え、龍神橋の架けかえを123億円の事業費によって実施することとなったわけであります。  私が地元消防団や自治会長さんと渡鹿地区の被害状況を確認した際には、橋の架けかえ時に堤防を整備するとの理由で、龍神橋際には堤防が整備されていなかったため、そこから越水し、浸水被害を生じた現場を目の当たりにしました。  御存じのように、この龍神橋は橋幅が狭く、1車線分しかないため交互に通行しなければならず、橋から刑務所通りに通じる道路も狭く、通学路の危険箇所に真っ先に挙げられる道路となっておりました。  今回の事業で、地域の長年の念願であった龍神橋の拡幅が実現するとの意味では、地域住民の方の期待は大きなものがあり、また、渡鹿堰周辺の渡鹿6丁目及び渡鹿5丁目地区でも、全壊2棟を含む54棟に浸水被害が生じたことを考えると、住民の安全確保のためには早急な対応が求められていたわけであります。  この龍神橋の架けかえについては、平成24年12月の第4回定例会の一般質問でも取り上げました。龍神橋の取りつけ道路の整備計画について、その際には考えをただしましたが、執行部からは、国との協議の中で、今後、橋梁の位置などを決定していくこととなり、龍神橋のとりつけ道路についても国や関係機関と協議を行いながら整備していくことになるが、一部区間が通学路に指定されており、歩道の整備など交通安全対策も必要であり、道路の用地買収も必要になることから、地元とも協議を行いたいとの考えが示されております。  特に龍神橋から刑務所通りとの交差点に至る道路は、通学路であるにもかかわらず道幅が狭く、歩道も整備されていないため、非常に危険な道路として改善の声が大きかった箇所であり、架けかえによる交通量の増加によりさらに危険性が増すものであり、地元説明会においてもその改善が強く求められたわけであります。  そしてさらに、平成26年9月に開催された第31回熊本市都市計画審議会において、龍神橋架けかえに伴う龍田側の交差点改良及び道路の拡幅を行うための上熊本弓削線の熊本都市計画道路の変更、また通称北原公園と重複するための渡鹿5丁目公園の都市計画公園の変更の審議が行われることとなりました。  この審議会には私も委員として出席しておりましたので、このことについて、龍田側の交差点が改良され、橋の幅が広がるのはよいが、橋を渡った渡鹿側は、離合もスムーズにできないような道幅のままであり、現状のままの計画である。この道路は交通量の増加が見込まれ、計画性の点で問題がある。本来、渡鹿側の産業道路に至るまでの区間も具体的な整備計画を示すべきではないかとの意見を述べました。  その際、県の都市計画課からも、事前協議の段階で同様の指摘をしている。現場の状況を見ると、非常に危険。できるだけ早く産業道路まで都市計画して、地元住民の不安を払拭すべきと県からも指摘したいとの意見があっております。  また、渡鹿5丁目公園についても、半分以下に公園の面積が減り、地域の行事等への影響が大きいことから、代替地による公園機能の確保をお願いしたいことも述べ、道路、公園ともに今年度、26年度中に方向性を示していただきたいと申し述べました。  審議会においては、附帯事項として議事録に残すことで原案議決となったわけですが、既に丸1年以上が経過しておりますが、どのように対応されるのでしょうか。都市建設局長の答弁を求めます。          〔永山國博都市建設局長 登壇〕 ◎永山國博 都市建設局長  龍神橋の架けかえについてのお尋ねにお答えいたします。  熊本大学東側の白川上流部に位置する龍神橋は、平成24年7月の九州北部豪雨災害により、白川の河川改修が激甚災害対策特別緊急事業に採択されたことに伴い架けかえが必要となりまして、現在、国土交通省熊本河川国道事務所と本市において、急ピッチで工事を進めているところであります。  新たに整備する龍神橋は、現在の龍神橋の下流約70メートルに位置し、車道2車線、両側に自転車及び歩行者用の歩道を有する幅員16メートルの橋梁で、平成29年度の整備完了を目指しております。  議員から御指摘のございました、新設する龍神橋から通常産業道路に至る市道渡鹿4丁目黒髪5丁目第1号線の道路計画につきましては、幅員については増加する交通量に対応するため、新たな龍神橋と同じ幅員で、3メートルの車道2車線と4メートルの自転車歩行者道を両側に有する幅員16メートルとしております。  また、ルートにつきましては、概略設計により4つのルート案の比較検討を行い、用地取得面積や大型物件の補償、概算事業費等を考慮し、現道の利用を重視した案が最適であると考え、選定作業を進めているところでございます。  今後の事業の進め方につきましては、現在作業を進めております全体の道路計画等について、平成28年度に地元に丁寧な説明を行うこととしておりまして、その後、関係機関との協議を行いながら、路線全体の都市計画決定、事業認可取得、詳細設計と順次事業を進めていくこととしております。  整備に際しましては、路線延長が全体で600メートル以上となりますことから、自動車や自転車歩行者道の通行がふくそうする通称刑務所通りとの交差点部を優先的に行ってまいりたいと考えているところであります。  また、事業期間については、一般的には事業認可取得後5年から7年としておりますが、関係機関との協議も必要となることから、事業期間を含め具体的な計画を策定することとしております。  この道路の整備の重要性は認識しておりますので、今後、速やかな整備に向け取り組んでまいりたいと考えております。  次に、渡鹿5丁目公園につきましては、現在の公園の近くに同規模の代替公園を整備する方向で地元との打ち合わせを行っているところでございまして、平成28年度から用地取得、公園整備と順次進めていくこととしております。  なお、今後とも、地元住民の皆様には丁寧な説明を行い、御理解をいただきながら事業を進めてまいりたいと考えております。          〔32番 大石浩文議員 登壇〕 ◆大石浩文 議員  ありがとうございました。少し時間はかかりましたが、やっと渡鹿側の取りつけ道路の計画が固まったようであります。3メートルの車道2車線と4メートルの自転車歩行者道を両側に有する16メートルという立派な道路が整備されるようです。しかし、道幅も広く、路線延長600メートル以上ととても長い区間であり、用地買収等も考えれば事業費も巨額となり、また当然、工事期間が長くなりますので、何より早期の着工を目指していただき、危険な状況を一日も早く解消していただきたいと思います。局長もおっしゃられた公園も含めて、速やかな整備をどうぞよろしくお願いいたします。  以上をもちまして、準備いたしました私の質問は終了となりました。市長並びに執行部の皆さんには、若干の不満も残りますが、誠意ある御答弁をいただき、ありがとうございました。  いよいよことしもあと一月を切り、この1年を振り返る時期となりました。たしか大西市長はことし、年男だそうですが、全力で駆け抜けてこられたこの1年は、これまでで最も早く過ぎ、また多忙な1年であられたかと思います。年末は体が休まるようできるだけゆっくりと過ごされ、特にことしの紅白歌合戦は、市長の好きなゲスの極み乙女というすごい名前のバンドが初出場されるようでありますので、ぜひ紅白も楽しまれ、愛する邦楽ロックの曲でことし1年たまったストレスを大いに解消していただければと思っております。  輝かしい新年が市長を初め皆様方にとって、また本市にとりましても大きな飛躍の年となりますことを祈念するとともに、最後になりますが、御清聴いただきました議員各位並びに、本日、お忙しい中に傍聴席においでいただきました皆様に心から感謝を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  皆様、どうも本日はありがとうございました。(拍手)       ───────────────────────────────── ○藤岡照代 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明4日(金曜日)定刻に開きます。       ───────────────────────────────── ○藤岡照代 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                            午後 3時42分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成27年12月3日 出席議員 47名       1番   満 永 寿 博        2番   藤 岡 照 代       3番   光 永 邦 保        4番   大 塚 信 弥       5番   山 部 洋 史        7番   小 池 洋 恵       8番   三 森 至 加        9番   高 本 一 臣      10番   小佐井 賀瑞宜       11番   寺 本 義 勝      12番   西 岡 誠 也       13番   福 永 洋 一      14番   田 上 辰 也       15番   浜 田 大 介      16番   井 本 正 広       17番   藤 永   弘      18番   原     亨       19番   原 口 亮 志      20番   紫 垣 正 仁       21番   くつき 信 哉      22番   田 中 敦 朗       23番   那 須   円      24番   重 村 和 征       25番   村 上   博      26番   上 田 芳 裕       27番   園 川 良 二      28番   倉 重   徹       29番   澤 田 昌 作      30番   三 島 良 之       31番   齊 藤   聰      32番   大 石 浩 文       33番   田 尻 善 裕      34番   上 野 美恵子       35番   白河部 貞 志      36番   鈴 木   弘       37番   津 田 征士郎      38番   坂 田 誠 二       39番   竹 原 孝 昭      40番   江 藤 正 行       41番   藤 山 英 美      43番   田 尻 清 輝       44番   落 水 清 弘      45番   古 川 泰 三       46番   北 口 和 皇      47番   田 尻 将 博       48番   家 入 安 弘      49番   田 辺 正 信 欠席議員  1名       6番   緒 方 夕 佳 説明のため出席した者
      市長       大 西 一 史    副市長      高 田   晋   副市長      植 松 浩 二    理事       田 雜 隆 昌   総務局長     多 野 春 光    財政局長     木 下 修 一   市民局長     永 目 工 嗣    健康福祉子ども局長宮 本 邦 彦   環境局長     中 村 英 文    農水商工局長   石 櫃 紳一郎   観光文化交流局長 西 島 徹 郎    都市建設局長   永 山 國 博   消防局長     西 山 博 之    交通事業管理者  西 本 賢 正   上下水道事業管理者寺 田 勝 博    教育委員会委員長 崎 元 達 郎   教育長      岡   昭 二    中央区長     萱 野   晃   東区長      中 原 裕 治    西区長      永 田 剛 毅   南区長      田 畑 公 人    北区長      田 上 美智子 職務のため出席した事務局職員   事務局長     大 杉 研 至    事務局次長    木 村 建 仁   議事課長     富 永 健 之...